道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第78回決着!! 9月の兼題は 「流れ星」、他、自由でした。
まだいささか取り込んでいて、今月は「選評」のみで |
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面白い句材です。それでいて句材に溺れていません。 | |
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「犬の子」「猫の子」は春の季語ですが、今や年に二回三回の誕生。 今生まれた二匹の犬の子。静かな夜の充足感。 |
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あゆさんの今月の作品は揃っていました。「天」「人」両賞獲得は初めてでしょうか。 「峡晴」と「柿の秋」という纏め方で、抜けるような青空と柿の赤さが強い印象で迫ってきました。 |
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【入 選】
監視カメラ今宵の月を捉へたり のぼる |
秋桜洗濯好きは母似かな 天花 |
明月や携帯電話かけてみる 二穂 |
ふるさとの月がメールで送られて 河彦 |
のぼるさんの句は「監視カメラ」というものによって都市の名月が、天花さんの句は「秋桜」で風を感じさせてくれ、洗濯物がぱりりと乾く感触を伝えます。二穂さん、河彦さんの句は似通ってますが、情感の方向性がそれぞれに楽しめました。 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
あとひとつもう一つと流れ星 方江
<あとひとつもうあと一つ流れ星>
○ 朝焼けて琴引浜の大曲り
○ サイダーの泡の向うや船が行く
仰ぎ見る流星のごとサテライト 竹雄
○ 縁側に供えし月見団子かな
消してより隣の音や虫時雨
消してよりーー何を消す?。「隣の音」という聴覚関係に対して「虫時雨」も同じ聴覚で捉えたものが重なります。中七が「や」で切れているので、「隣に居るような虫時雨」ではないでしょうから。
○ 里山の黒き眠りや星流る 瞳夢
露草や手折らむとすれば濡れにけり
<露草を手折らんとして濡れにけり>
ドア開き乗客と来る秋の風
同じような発想の句は沢山書かれています。
○ 普陀落の海へ尾をひく流れ星 あゆ
○ 救急の音近づきて流れ星 正巳
庭先の萩垂れふさがりて行きがたし
○ 唯薄すすきすすきの生石山(おいしやま)
「唯」は「ただ」と平仮名の方が。
○ 蔭玄き東寺の塔や流れ星 のぼる
○ 背番号並べて案山子祭かな
○ 流星を多く見た日や長電話 吐詩朗
機械刈り稲架の温みのなき風情
その通りなのですが、そのままの感想を言うのでは、読者の方には「そうですねー」
で終わってしまいます。
○ コスモスや弥生土器掘る箆使ひ
○ 星飛ぶや陶のブローチ星型に 薫子
パソコンに銀漢のごと文字流れ
にわとりを放ち茶店の萩白し
<にわとりを放ちし茶店萩の花>
○ 流れ星確かめたいこと多きかな 天花
○ 銀河澄む母の一生つつましく
○ 流星や宇宙への旅始まりぬ 満子
地の底ゆ沸き上がるがに蝉時雨
湖水への旅の始まる今朝の秋
「湖水への」というのが、単なる湖への旅とは思えないのですが…。
○ 流れ星大地に劣化ウラン弾 章司
望の月香月泰男とシベリアと
いささか季語が動くかと。
○ 冴え冴えと 照る月にデジカメを 向けてみる 河彦
○ 亡き母に思いを重ね彼岸花
流れ星なぜに想いの残るやら 二穂
○ 北富士や裳を広たげるすすき原
○ 流星や地上は葛藤ばかりなり 山野いぶき
○ そんなにも悲しむ勿れと秋の風
知り合いの届けてくれた黒葡萄
流星や 針穴のごと テロ特措 花子
中七もう少し頑張ってみましょう。
○ 絵手紙に 艶ある柿の 送られる
○ かの世から 不意の花束 曼珠沙華
曼珠沙華というのは本当に不思議な花ですね。
○ 流れ星落ちたる辺り妻女山 紫微
青空に赤く透きゐる真弓の実
中七「赤く」を再考。
○ 名月や竹馬の友の通夜の席
つらさ、切なさがしみじみと伝わります。
星流る誰の知らせか露天風呂 有楽
○ 茂吉館後は蔵王霧襖
○ 帰り路また逢いそうな花野かな
何となくふわりとした情感が伝わります。
○ もてなしの流れ星あり奥秩父 萬坊
○ 瓢箪のぶらり世間にぶらさがり
確り書かれていますが、類想あり。
寄付の札くぐり大蛇の秋祭 (おろち)
「大蛇の」がもう少し。長崎くんちなどは想像出来ますが…。
秋簾通す陽射しを迎え入れ 美原子
○ 見えぬもの見えた一瞬流れ星
遠藤に案山子立ててコンテスト
「遠藤に」?
○ 流れ星飛んで父の死を知りぬ みどり
娘なればこその思いでしょう。
○ マスカット含みて今日は佳き日かと
憂きことの電話の後に小豆煮る
<憂きことの電話でありし小豆煮る>
○ 手ひかれし母のぬくもり流れ星 弘子
献盃を君受けしかも酔芙蓉
「献杯」を受けたのは死者かと。「かも」はいささか不分明。
<献杯を君受けたまへ酔芙蓉>でしょうか。
○ 虫時雨胸のつかへの消へてをり
新蕎麦やにんまりとして新総理 龍子
「にんまり」は新総理の表情にぴったり!ですね。
○ 駆けつけて行けぬ遠さや秋さびし
流星やピンクの花束持ち呉れし
季語、「流星」でない方が、いい句になるかと。
○ 政変か流星走す二つ三つ さかもとひろし
○ 夜空澄む金印の島に流星
<夜空澄む流星の島流れ星>と。「に」は一句を小さくしてしまいます。
○ ビートルの往きし航路に星の飛ぶ
<ビートルの往きし航路や星の飛ぶ>
○ 死を賭すは貫徹なりと星が飛ぶ 悠々
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