道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第68回決着!! 11月の兼題は 「冬の日」、あと2題は自由でした。
めでたくご迎春のこととお喜び申し上げます。 |
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面白い書き方です。電車そのものが、車両をひと揺すりしたようで、まるで外国アニメの感あり。 | |
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こういう発見は、俳句ならでは…。 | |
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閑散とした売家。庭先を出入りし日向ぼっこをする猫。「枇杷の花」が、静けさを増します。 | |
【入 選】
煮こごりや姪の面影母に似て 薫子 今は亡きその母なる姉妹の俤、そして自身の母、姪には祖母なる人の俤。 |
冬の日やブイに記して役所印 水の部屋 寒々とした冬日差。大きく明快な役所印がありありと。 |
文化の日液晶テレビ選びをり のぼる 「文化」とは…の思いが過ったことでしょう。 |
水仙の芽がぽこぽこと出で来たり 山野いぶき 「ぽこぽこ」が驚きと喜びを伝えます。 |
冬の日の時計正しゅう掛け直す 意久子 結構です。「正しゅう」が誠に上手く働きました。 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○冬の日やあの若き日は戻らない 竹雄
産土の迎えてうれし七・五・三
「産土の」でしょうか、「産土や」でしょうか。ここらを考えてみて下さい。
○リストラとなりて息子の神無月
辛いなー。「神無月」が哀切です。よき次のお仕事がありますよう。
病窓を斜めに入りて冬日かな 正巳
〈病窓や冬日斜めに入りきたる〉
○山茶花や小雨に白き薄明かり
○踏みかねて暫し佇む柿落ち葉
○聖堂の静寂に祈る冬日かな 瞳夢
晩秋の機体を染める夕日かな
○虫の声草に埋もれし流人塚(八丈島にて)
○薪を割る 老いの背中に 冬日差す 花子
自販機の ホット目立ちて 冬に入る
私は、夏こそ(冷房の中で)ホットを自販機に、と願っています。
○冬耕や 隅に鍬打つ 父の影
悪くありませんが、「冬耕」「鍬打つ」の重なりが少々気になります。
〈冬耕や隅打ちつづく父の影〉
授業中うつらうつらの冬日かな 山野いぶき
冬の日の雑巾掛けはキュキュキュッキュ
○冬日燃ゆ五彩の羽の木彫り鳥 薫子
○おでん屋の皿にはみ出す結び昆布
○身に入むや敦盛の鎧いと小さし 龍子
○小春日や母の残せし裁ち鋏
冬の日や眼力正しき仁王像
「正しき」が最も適切かどうか。
○昇降機に点字をさぐる日の短 水の部屋
○朝刊の残りはわづか駅小春
○押入れのあけば折れ射る冬日かな 萬坊
こういう日常の中の発見は大切にしてください。
枯菊の枝で枯菊寄せにけり
冬の日や母の抽斗開けてみる だりあ
〈霧の夜の父の抽斗開けてみる 谷子〉の先行句あり。
「父」と「母」では異なりますが、やはり、類想感あり。
○水底の口の四角や冬の鯉
結構です。
○包装紙きちんと畳み枇杷の花
○雨雲を透きくる冬日一葉忌 章司
○冬の日のモスコーに聴く喪のラジオ
霜の寺金平糖のやうな花
なかなか面白いのですが、「金平糖」が花八手のことか、それとも…といささか不明確。
○冬の日や花束届く楽屋裏 天花
○採りたての冬菜の甘しちぎれ雲
「ちぎれ雲」を持ってきたところ、結構です。
教会の赤き煉瓦や冬帽子
(東京・神楽坂)
○冬の日や大名墓地の荒れしまま のぼる
竜巻の走り抜けたる神の留守
○デッサンの影深まりぬ冬ひと日 方江
冬日差し背にうけ友と句作かな
○冬紅葉貼りつく舗道楽しめり
○寝そべって冬日に当てる足の裏 洋光
何だか健康になりそうです。
色形まこと外連のなき零余子?
○有磯海しぐれて能登を隠しけり
○くしゃみして 目覚めて一人 旅の宿 河彦
花筐(はながたみ) 紅葉の気配 小面に
美しいものを並べ過ぎました。?
○八海山を 正面に見て 蕎麦を食う
ひらじろ
○平城に隠し矢間や冬日射 あゆ
○迷ひ入りどこか懐かし柞径
「ははそ」の音の懐かしさ。
○小春日を背中に負うて母が来る よし子
冬日さす障子に音の生まれけり
「音の生まれけり」がどういう状況を指すのかがいささか不明。
○投句終へ大根干す手のよく伸びる
〈選句終え大根干す手のよく伸びる〉が今の私の思い。
○冬日うけストリートミュージシャンふたり 二穂
結構です。
○山茶花や庇を直す老大工
○三の酉駅前小路の混み合いて
○冬の日や安心しきって猫眠る 満子
○ふる里に向かふ飛行機天高し
幸せな高揚感がよく伝わります。
○秋深む反り美しき阿弥陀堂
○武蔵野の一ト本ごとの冬日かな 紫微
○黄葉散る大学都市の日照雨かな
○水脈分けて続く艦船秋高し
何だかマーチが聞こえそうです。
○冬陽差す車の下にあの子猫 有楽
冬日和工事クレーンの威張る空
「威張る」はもう一歩。
○陽の恵み売っております吊し柿
巖頭に花一輪の冬日かな あきのり
青空へ絵の具散らして銀杏黄葉
○戦中は甘藷主食の日もありて 意久子
明眸の紺のマフラー過去の人 さかもとひろし
○黄ショールに気分をのせて外出す
○桟橋に赤きマフラー神戸港
冬の日の雲は動かず友狂う みどり
○頼るもの何ひとつなし冬日向
○裸木の瘤があなたの顔に似て
抉るような哀しみが伝わります。
○ガラス拭く冬日に顔を晒しつつ 弘子
久闊を叙すをみなたち冬薔薇
○理由もなくこみあげる怒り胡桃割る
「理由もなく」が少し弱いです。
○「電撃」発見冬日暖かし 悠々
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