道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第65回決着!!
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何に献じるのか、誰に献じるのか。 | |
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夏も終わり。二度と戻らない夏への思いが、中七までに書き留められています。 | |
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「風炎ゆる」磐石。 | |
【入 選】
くるぶしの喜ぶ深さ川あそび 萬坊 |
釣り人の無口が似合う終戦日 竹雄 |
鴎外邸涼し欄間の遺言書 のぼる 明治という激動の時代の中で、鴎外の辿り付いた処。 「涼し」とのみで伝える思い。 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○敗戦忌あの日も暑い空でした 方江
寝不足のように紫陽花色落ちる
〈寝不足のように紫陽花褪せており〉
予定書く背中に汗ためながら
○玉音の謝罪きこえず敗戦忌 竹雄
もくもくと入道雲の迫りくる
○敗戦忌遺恨の鐘の聞こえけり 瞳夢
追悼の瞼重たき蝉しぐれ
緑陰の僧の秘めごと携帯音
よい材と思いますが、「秘めごと」まで言わずとも、緑陰がその様に思わせてくれるでしょ。
〈携帯電話緑陰に僧取り出せり〉とか。
○立葵とんとん咲きて青き空 龍子
爺婆の孫の守りとて庭花火
○敗戦忌アメリカンビーフ買うことに
何やらシニカルで面白いです。
望郷の 夜更けの電話 夏まつり 花子
○炎天を 飲み込むごとく 水を飲む
○靴紐をキュット締めたり敗戦忌 意久子
○ていねいに鍋釜磨く敗戦忌 だりあ
生きることの原点…。
夏草へもぐりて虫のひとりぼつち
○空蝉の眼しつかと前を見る
○紅白の夾竹桃咲く敗戦忌 みどり
○なすび入れすいとんつくる祈りの日
○韮咲く日玉音放送ききました
それぞれに切実
○敗戦忌武道館裏にトマト食ふ 弘子
○腰高の少女涼しき歩みかな
江戸朝顔咲きて主の退院す
○敗戦忌電波時計を妻に買ふ のぼる
○渾身の一球にかけ雲の峰
○核消えず 61年目の 夏なれど 河彦
8月6日、9日、広島、長崎での祈りを共にした者は皆、この無念な思いを噛み締めました。
○ 憲法九条 掲げし寺に 蝉しぐれ(常寂光寺で)
嬉しいことです。
〈憲法九条掲げし寺や蝉しぐれ〉と。
すずむしの寺 汗ぬぐいつつ 法話聞く
寺と法話は重なります。
〈すずむしや汗ぬぐいつつ法話聞く〉
○缶づめをこきこき開ける敗戦忌 満子
残酷と思ふが蟻に殺虫剤
○蓼科の露天のジャグジー星涼し
○敗戦忌夕べかなしき疎開の子 あゆ
我が連れ合いも最小の疎開児童。もうあのような経験を幼い者にさせることがないようにと切に切に。
盆踊り名妓の昔しのばせて
○開くまじ相聞歌碑の落し文
靖国に議論うずまく敗戦忌 薫子
○木彫り猫尾を高々と秋立てり
○航跡の白く捩るる敗戦日 水の部屋
石塔の文字秘めいし苔の花
○ヒロシマ忌画集の丸木スマを読む 章司
かさだかの虚報に躍り八月来
○流さるる日々の一椀敗戦日
終戦日ハーフミラーの雲暗く 萬坊
○棟上げや御幣の上へ赤とんぼ
○敗戦忌白木の箱で父帰る さかもとひろし
伴奏に走り軽やか虫時雨
虫愛ずる姫憶えしや朱雀門
もう一ひねりを。
○終戦日大きな雲が通りけり よし子
日盛りや物売りの声の溶けてゆく
「声の」の「の」、字余りであることが、間延びの感覚を伝えます。
○とりどりの錠剤飲みて今朝の秋
敗戦忌ズボンに穴を開けもして 天花
現代風俗ならば
〈穴明きのジーンズが行く敗戦忌〉
葛咲くや駅前広場に工事柵
こっそりと垣朝顔の種貰う
○重き荷を背に復員す敗戦忌 紫微
星と紛ふ光群れ舞ふ花火かな
○朝茶事の床に一輪白芙蓉
〈白芙蓉一輪を活け朝の茶事〉
気づき初雲虹見入る秋の夕 霞倭文
〈息継ぎて虹に見入りし秋夕〉
秋水を子らビーサンで踏み止める
甲子園ヒーローたった二日成る
語り部の語らぬ話敗戦忌 あきのり
いなびかり天より指せる呪文かな
○鞄さげ寅さんいよつと秋の雲
○晩年を何色にせむ鳳仙花 老松
○新涼や一番星と半月と
○敗戦忌疎開地の友今いづこ
北の地は 語らずじまい 敗戦忌 姥懐
「北の地」をもう少し詰めて下さい。
こぼるるや 屋台の活気 草の市
何が「こぼるる」のか?
越境の蔓 図々しくも 時計草
〈斯く図々しき越境の蔓時計草〉
○敗戦忌企業戦士は会社なり 山野いぶき
○秋立つと空の青さが告げにけり
大雨の中を黒揚羽蝶の舞う
○靖国にヘリかまびしき敗戦忌 悠々
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