道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第52回決着!! 7月の兼題は 「雲の峰」「薫風」「滝」 でした。 暑中お見舞い申し上げます。 |
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面白い取り合わせを成功させました。手元にある地球儀と、この地球の果てに立つ雲の峰と。 | |
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「峙て」によって、一句がどれほど強くなっていることか。 静かですが、力のある一句です。 |
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床机を拭くという一些事を言っていますが、この句が伝えるのは、滝しぶきの激しさ、滝の見事さなのです。 | |
【入 選】
雲の峰町営ゲートボール場 とみゐ |
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【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○雲の峰バンザイクリフを両陛下 京羅坊
戦後60年。両陛下のお姿は、昭和を背負って、胸詰まりました。
玉盌(たまもい)の縄文杉や魚津滝
玉盌というのは玉で造った碗。これと縄文杉がどう繋がるのか?
薫風の忍野八海水ぐるま
○愛知博列の長久手雲の峰 竹雄
長久手を上手に使っています。
旅の宿雨に間違う滝の音
一陣の薫風肌をよぎりけり
○ご無沙汰の父母の墓石や雲の峰 吐詩朗
○歌碑句碑の並ぶ城址や風薫る
悠久の響動む(とよむ)瀑布の深く瑠璃
「動む瀑布の」に対して「深く瑠璃」が勢いを殺しています。
大滝の瀑音のなかへと一歩 だりあ
雲の峰受付の窓小さかり
何の受付なのかを、もっと絞って下さい。
○薫風やクレソン添へて肉料理
美味しそうですね。食欲そそられる一句。
ふるさとに まだ足りぬもの 雲の峰 花子
○薫風や特定局の俳句展
郵政法案も大詰め。ただ、「特定局」だけで特定郵便局とわるかどうか?
薫風に乗りてホームの軍歌かな
現在の景でしょうか?そこらが、今ひとつ伝わり難いです。
○雲のみね野に軍用犬軍馬の碑 美沙
「雲の峰」と。
薫風や沖に漁火ともり初む
大瀑布とどろくテラスの白ワイン
夏の怪原爆雲に勝るなし 秋吉景子
アカシアよ北一条の走り風
○一条の滝に合掌熊野路
○散華せし戦友の卒塔婆雲の峰 傘汀
をちこちの花の香りのあり風薫る
鳥肌の立ちて裏見のたきしぶき
乙女滝マイナスイオン浴びて佇つ 瞳夢
○ファインダーをはみ出し九十九里雲の峰
「九十九里浜雲の峰」でしょう。なかなか勇壮です。上五再考がいささか大変ですが。
○薫風や十国峠ひとり占め
○風薫る八十路も末の夫婦かな 洋光
ヨセミテや峪の左右の大瀑布
○薫風や新線試走電車疾き とみゐ
リズム感満点ですね。
滝めぐりループ下りて海へ伊豆
○雲の峰をみなに高き志 あゆ
今や…、ということでしょうか。
薫風の窓へ花屋のピアノ曲
○つつましく那智の二の滝三の滝
峰雲や膨らむ希望不安とも もとこ
オホーツクの海に落ちるや神の滝(知床岬カムイワッカの滝)
カムイワッカの滝は、皆中七まで同じです。
雲の峰もう直ぐ来るぞまくれ水 正己
「まくれ水」ってなんでしょう?
○伝説の砦の跡や風薫る
瀧近し微動だにせぬ大山椒
○暁の高千穂重なる雲の峰 さかもとひろし
(霧島よりながむ)
暁闇の中の雲の峰。白々と壮麗。
鬱の日にふと見上ぐれば雲の峰
日没に決意うながす雲の峰
○コーヒーを小さき茶碗に風かおる 意久子
手を引かれ流に添ひて瀧小さき
○校庭に子等の歓声雲の峰
○好きですと言うつもりです雲の峰 方江
オオーッ!元気な一句。
君を待つ窓辺の席に風薫る
○秘め事の一つや二つ瀧しぶき
方江さん、まことに元気。
○湯布院の尾根の連なり風薫る 老松
すさまじき瀑布にかかる四色かな
○少年の決意固まる雲の峰(甲子園出場校)
薫風や少年剣士の通い路 よしこ
○阿蘇を行く蒸気機関車雲の峰
瀧落ちる木々も水面もま青なり
○雲の峰大興安の彼方より(ハルピンにて) 有楽
金鯱が睨みつけてる雲の峰(名古屋)
目下、万博会場駐在中でしょうか。
○神代より落ちくる瀧にひれ伏せリ(那智)
○薫風や山頂目指す爺婆に 霞倭文
決して爺とも婆とも思ってない一団です。
○戻れぬと橋渡るたび雲の峰
尾根道に濡れて咲く花雲の峰
雲の峰子等真っ黒になりにけり 満子
○薫風に亀が顔出す池の面
○最上川雨に煙りて滝一条
最上川のあちこちに流れ込む滝。先だって雪の中の滝を見ました。
○風薫る 「核の世紀」の 大著を祝う 河彦
〈「核の世紀」のかくも大著や風薫る〉
風薫る 小さな店に 鬼平が
池波正太郎ひいきの店でしょうか。
想い出を 一つ作って 雲の峰
薫る風声生き返る峠かな あきのり
滝の上力もりあげ落ちるなり
なかなかよい一句ですが、
〈滝の上に水現れて落ちにけり 後藤 夜半〉
という先行の名句がありますので。
○静脈の透く母の腕雲の峰
暑さの中、細る母。自然の厳しさの中での人間の存在。
○峰雲や亀がつついて水位計 水の部屋
〈水位計亀がつついて雲の峰〉でしょうか。
水が水押してうねりて瀑布かな
○ことづてのやうな薫風馬場の跡
○雲の峰補習授業は真っ盛り 山野いぶき
薫風に乗って行きたし授業中
滝の音遠い記憶の甦り
けんけんの包帯の足風薫る 萬坊
滝遊び御居処で流れ変わりけり
(御居処=おいど)
峰雲や二合半の米を研ぐ 天花
この句の場合、米の分量をもう少し考えてみましょう。大量ならば、もっと元気が出ましょう。
風薫る道路工事の手信号
○薫風や二人乗りのベビーカー
たましひの揉みださるるか滝の裏 章司
○「おぢいちやんの木」といふ碑文風薫る
どんな碑か、見てみたい思いを誘います。
○学園のタワーをちこち雲の峰
○雲の峰弾痕とどむ大聖堂 紫微
薫風やよちよちの子の背(せな)をそと
「そと」は「そっと」吹く、の意でしょうか。
○滝音に語らふ声のいや高く
○原宿は原色の街雲の峰 のぼる
○木曽谷の木造駅舎風香る
○知床の滝のしぶきに憩ひけり
三句共しっかりと書けています。
○南部路を羽後路へ向ふ 雲の峰 姥懐
○薫風や 少年の汗 鎮めをり
猿之助 千秋楽の 作り瀧
○滝しぶき白装束の子らまぶし としこ
〈白装束の子等をまぶしむ滝しぶき〉
雲の峰ついそこまでに幼き日
「ついそこまでに」の「に」が一句を解りにくくしています。
○病む母の咀嚼の音や風薫る 龍子
胸騒ぎ払拭されし滝しぶき
光り合い神馬の馳せる雲の峰 みどり
○薫風に今朝の紅茶は濃くいれて
○滝蒼然心の揺れを引きしぼり
○薫風や身を甘やかし小半時 弘子
中七、上手い一句です。
雲の峰自分史を劃く一頁
滝壺や海へとつづく一里塚
行き止まり道なき先に滝流れ 美原子
風薫る史跡の道は幅広く
○とうふ屋のラッパ追いかけ雲の峰
音に聞く神を夢見る鼓が瀧 悠々
【追加】
○ 輪をえがく 鳶のむこう 雲の峰 陽湖
○薫風や 農高生の 通学路
いいですね!。
鯉跳ねて 雨が来るよと 滝の庭
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