道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第49回決着!! 4月の兼題は 「菜の花」「柳」「春雷」 で でした。 (谷子) |
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地球のまわる音を「感じとる」作者。魚眼レンズで撮った映像のように、 青空と菜の花が広がります。 |
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校長であった亡き父。その遺影を見上げている作者。何枚もの「校長」の写真の中でのその写真に、「父」としての懐かしさよりも、「校長」としての威容を感じているのであろうと思うのは、「春の雷」の働きです。は別れの時でもあります。そこはかとない新たな出会いも後ろにあるでしょう。「預かる」に思いが籠もります。 | |
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おだやかな一句。特別印象的な言葉があるわけでもありませんが、瑞々しい空気と柳の青さが瑞々しく伝わります。「今」の働きです。 | |
【入 選】
春雷や水辺の魚籠に二三匹 正己 |
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【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○菜の花や笑うと負けよあっぷっぷっ 京羅坊
中七以降はまことに楽しい一句。ただ、上五はまだまだ
変化可能ですね。
春の雷轟く寝間の二階かな
春雷や 別れの街に グッドバイ 花子
誰かと別れた街にグッドバイを言う、という意味は解るのですが、
「別れの街」「グッドバイ」はいささかしつこい。
「○○の街」をストレートに「貴方の街に」とした方がすっきりするでしょう。
○昨日より 今日の彩あり 青柳
菜の花に まるき指寄す 背の赤子
○潮騒のとぎれとぎれや花菜風 傘汀
けぶらへる矢切の渡し糸柳
一寸「心中物」みたいですね。
真夜中の春雷過ぎて救急車
菜の花忌ふりかえりみる坂の上 正己
廃校の今尚もえぐ老柳
「もえぐ」は「萌えつぐ」でしょうか?
〈廃校の今尚萌えて老柳〉の方が素直に伝わりましょう。
人生半半(みちなかば)菜の花の郷里と信州と 陽湖
「郷里と」の「と」が、解りにくくしています。
○あの雲で銀座柳通りまでふわり
破調ですが、なかなか楽しい一句。
春雷へ回天扉夫婦り行く
菜の花や人待ち顔の駐在所 瞳夢
○どろどろと春雷利根を渡りけり
○ビル風に哀れ銀座の柳かな
菜の花になりし川辺に墨かかる 竹雄
「墨かかる」とはどういう情景でしょう。
ジーンズの後ろ姿や柳腰
○春雷を機の下に見て別世界
〈春雷を機の下に見し旅立ちや〉などと。
○サイフオンの残り一滴春の雷 老松
三百万本の菜の花の中
〈三百万本の風の菜の花畑の中〉でも可、ですね。
○青柳の姿のよさや風撫づる
○春雷の兆せる旅のカフェテラス 章司
○菜の花や分校いまは集会所
○みすヾの詩誦みて菜の花月夜かな
○菜の花の香効きそう不老不死 とみゐ
人生訓風に柳としなやかに
「柳に風と」でしょうか。
○春雷や意外に効きし吾一言
○柳絮とぶ川の真中に県境 あゆ
春雷のあとをひそやか夜の雨
○一抱へほどの菜の花黒い甕 洋光
○若柳池を挟みて弁天堂
○春雷をまたひとつ聞く城下町
事故処理のう回標示の柳筋 竜子
下五の季語を再考されてみてください。
○春雷や仁王の眼大きかり
○歩こう会Aコース行き菜の花畑
〈菜の花畑歩こう会のAコース〉と
○柳ゆれ風の先端見えにけり もとこ
○思案なし柳は枝を下げしまま
菜の花の続けば続く休耕田
○風なびく柳に透けし丹の鳥居 薫子
菜畑の彩広がりし子らの影
「広がりし」の「し」を再考。〈菜畑の彩の広がり〉と。
○春雷のひと鳴り犬の吠えたてり
○もてなしの菜の花浮かぶ潮汁 方江
○転た寝の空に春雷響きけり
しなやかに風受け流し柳の葉
〈青柳のしなやかに風受け流す〉
○菜の花やとぎれとぎれの波の音 有楽
新しきビルも柳がなでており
○春雷や断層眠る多摩の丘
出来れば「眠る」をもう一歩推敲してください。
○菜の花や礼拝堂に人の列 遥
わだかまり残りしままの花菜漬
「残りしままの」の「の」を「や」に。
○春雷や錆たるままの父の鍬
○菜の花の寿司届けらる誕生日 景子
○銀座柳あくがれし日の若さかな
春雷に今年の作柄天気など
○菜の花やビルのあわひに浜離宮 紫微
屋形船ただすべりゆく柳陰
〈青柳やすべるがごとく屋形船〉と。
春雷の妻の寝息を乱しけり
「の」と「を」の不具合。〈春の雷妻の寝息を乱しけり〉と。
菜の花や青信号ゆくランドセル 意久子
○春の雷喪服たたむ昼下がり
「喪服をたたむ」と。
待ち合はせ駅より柳どこまでも
〈駅より続く柳並木や待ち合はす〉
○菜の花の波の拡がる干拓地 吐詩朗
嬰児の手柳にふれて微笑めり
○古書街の柳古楽譜売る小店 美沙
「古書街」「古楽譜」の、「古」の重なりを再考してください。
○春雷や迷いにピリオド打つ日記?
○柳ゆれモボ・モガ往きしかの銀座 満子
春雷やたちまちみどり滴りぬ
「春雷」「みどり」「滴る」といささか重なり過ぎました。
○花の雲すっぽり東京包みける?
〈東京をすっぽり包み花の雲〉と。元気な一句です。
春雷に 追われて京の 坂くだる 河彦
菜の花を 還暦の年も ともに見て
「ともに」が誰となのかが解るように書いてみてください。
○柳青める 若き日の思い いまもなお?
〈若き日の思い今なお青柳〉でしょうか。
○はすかひに罅入る石碑花菜風 水の部屋
縁側に日の行き渡る花菜道
行きずりに見かけた農家の縁側でしょうが、「花菜風」とされると、縁側が存在感を増すでしょう。
○菜の花や法事に集う兄姉妹 霞 倭文
校庭は子等声戻り老い柳
〈校庭に子等の声満つ柳風〉でしょうか。
春の雷家路の街は茜色
駆けっこの子ども菜の花蝶と化す だりあ
○菜の花へ入日悠然と消えり
両岸の柳吹かるる丈のなし?
今月の作品、少し理屈っぽくなっています。
○下総の菜の花の黄に染まりけり のぼる
鐘の余韻に和すや糸柳
〈晩鐘の余韻に和すや糸柳〉と。
○メール打つ遠く春雷聴きながら
○菜花咲く広場は臨時駐車場 天花
○柳青し少年野球の始球式
○菜の花や遠く会釈の郵便夫 萬坊
あたたかくやさしい、いい句です。
○くぐり出て柳をくぐる一輪車
春雷の去るを確かめ浮子うごく
春の雷こはきものなき齢と決め あきのり
〈春の雷こはきものなき齢かな〉でしょうか。
○青みきて月を潤ます柳かな
ねんねこののけぞり寝る子花菜風
〈ねんねこにのけぞり寝る嬰花菜風〉
億万の命うまれる春の雷 二穂
かしらかたこしあしゆらしいとやなぎ
「頭、肩、腰、脚、揺らし糸柳」ですね。判読するのもなかなかタイヘン。
○菜の花や明るい雨にとけけこんで
〈菜の花や明るき雨に融けゆきて〉と。
○菜の花と富士と真っ青な空ばかり 山野いぶき
〈菜の花と富士と真青(まさお)な空ばかり〉と。
若柳清流見つめていたりけり
春の雷これから行こうか行くまいか
○菜の花や 沿線すべて 風の径 姥懐
風もらひ ちんまり笑むや 柳の芽
春雷や 「種播く人」の 甲斐の圃(その)
○菜の花の黄の絵具とく朝七時 みどり
しかと見し不条理の死柳垂れ
初めての談志聴く夜春の雷
〈初めての談志聴く夜の春の雷〉と。
○柳青し手術はうまくゆきしとや 弘子
〈春の雷手術はうまくゆきしとや〉と。
菜の花の浸しが肴浦霞
「浦霞」のCMにはぴったりかと。私も「浦霞」贔屓です。
春雷や快気祝いの窓明り
これは〈青柳快気祝いの窓明り〉の方がよろしいでしょう。
川遊び菜の花伝わる子等の声 さかもとひろし
「川遊び」は夏の季語。「伝わる」ももう少し考えてください。
初雷に抒情心猫の顔
驚いた猫の顔なのでしょうか。
○川柳水に映ずるわが昔
○菜の花のとぎれるところまで歩く よしこ
春の雷少ししかめて夫眠る
「顔」を削ってしまうのはどうでしょうか。
○足のべて柳の風に吹かれ居る
○春の雷やはり神様は怒っている 美原子
〈春雷ややはり神様怒っている〉と。
くされ縁断てぬ我なり春の雷
○池超えて吹く風受ける糸柳
おろかなる我いましむる春雷 悠々
〈おろかなる吾(ア)をいましむる春の雷〉と。
〈おろかなる吾をいましむや春の雷〉でも。
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