道場主今月の一言
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銀座俳句道場 道場試合第41回決着!! 8月の兼題は 「 夕顔」 「冷素麺」 「炎天」 でした。
台風のお見舞い申し上げます。 (谷子)
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爽涼の気の一句。結構でした。 | |
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静かにも切ない一句です。 | |
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夕顔の白い丸さと、生まれ出る筈の月の丸さと。 | |
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「重き」の発見が、炎天の激しさを伝えます。 | |
【入 選】
夕顔が咲いても父はおりませぬ 山野いぶき |
源流は乗鞍岳や冷そうめん 洋光 |
留守長き瞑を夕顔ひらきくる あゆ |
木の箱の焼印まだら冷そうめん 天花 |
炎天へ突っ立つ避雷針一本 だりあ 原句は「避雷針の一本」でした。「の」は不要です。 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○夕去りの夕顔灯り侍りけり 傘汀
食欲の有るとき無いとき冷素麺
炎天に歓喜の虹かかりけり
「炎天」「虹」共に季語です。もう一工夫を。
夕顔に風吹きわたる如雨露かな 京羅坊
夕顔に風吹き渡りはじめたる
湯あがりの箸がすすめる冷やそうめん
炎天の燕も狂う暑さかな
これまた季語二つ。初めの頃は、きつくても季語を一つに絞る
鍛錬をしましょう。
○ギャマンの冷やそうめんは白美人 竹雄
農作業一人欲掻く炎天下
畑にまだ一人佇ちたる炎天下
○くつろぎの夕顔の花咲いてをり
○炎天の球児となりて慟哭す 有楽
○母在れば冷そうめんよの声するに
母在れば冷やそうめんよの声あらん
水打てば夕顔のひだうれひ消え
夕顔の揺れて背戸より友の顔 正己
線香の仄かに揺れて冷やそうめん
○炎天の空に歓声甲子園
廃屋や白き夕顔覆いけり 瞳夢
○定年や二人ですする冷やそうめん
炎天の砂に誓言 幼恋
「誓言」は硬すぎます。
炎天下 総勢九人 球を追ふ 花子
球を追ふ総勢九人炎天下
炎天や ビル陰ばかり 遠回り
○炎天や 溶け出しそうな ミニ団地
○嬰児のごと夕顔を抱き来る 洋光
○炎天を戻りて鳴らすのどぼとけ
夕顔の気だるき午後はじっとして 方江
萎えた夕顔なのでしょうか?
○老いてなお遊び心や冷やそうめん
炎天や揺れることなしかずら橋
中七再考を。
○ブロックの壁壊されてゆく炎天 だりあ
人生の楽しみ炎天下のカレー
○夕顔やきのうのニュース遠い過去 とみゐ
幼き日ごめんそうめん冷やそうめん
つい懐かしくて笑いました。
炎天下車天国徒歩地獄
○?桶に張る冷そうめんに風生まれ あゆ
炎天の白球へ跳びグラブ挙ぐ
○炎天や駅のオブジェは波形に 天花
「波形に」を再考してみましょう。
○夕顔白し宿下駄の硬さかな
「白し」を再考。
冷そうめん小粋にきりり惚けなんて 陽湖
○新宿発炎天からの逃避行
○古希すぎて可なく不可なく冷やそうめん 意久子
炎天に右往左往の穴一
○蕃客へ男料理の冷やそうめん 吐詩朗
○夕顔や隠居住まいの定まりぬ
炎天の産土神詣で幼児臥す
○炎天や狂いもせずに腕時計 遥
○夕顔の花より白く鶏眠る
白色レグホン。美しい一句です。
夕顔や行きつ戻りつ一輪車 田淵萬坊
○垂れるもの垂れ犬歩む炎天下
○炎天のベル押し教典売りに来る 水の部屋
○炎天を来て年金のこと話し出す
冷そうめん飛石を来る昼の父
炎天下 裸形の女 街に満ち 河彦
○炎天なれど 猫のTシャツ 胸を張り
ふるさとは 冷やそうめんに スダチの香
ふるさとは徳島。鬼籠野の酢橘毎年取り寄せます。
○炎天や影もかげ欲し我が真下 もとこ
冷そうめん定年夫婦明日もまた
夕顔の灯ともしごろや棚の上
下五を再考。
直角にまがる水流ひやそうめん?? 中土手
○脛をうつ音して夕顔棚暗し
蚊を打ったのかどうか。美しく纏めようとしなかったことで、
活き活きとした一句になりました。
炎天下交差点急ぐひと無帽
夕顔の煮物の甘し誕生日 紫微
○冷や素麺ギヤマン盆にひしめけり
炎天や大和なでしこひた走る
夕顔の幽かな香り愛しけり 秋吉景子
「愛しかり」です。
炎天を吹き抜けし風秋けはひ
○顔揃う日曜の昼冷そうめん
カナカナや輝き残す雲の縁(へり)
○浮き沈みバケツのトマトへ清水汲む
「浮き沈む」と。
酸っぱさを身上とせし夏みかん
炎天の煙草のけむり濃く立ちて 竜子
○割箸の柾目すっきり冷そうめん
夕顔やすれ違ふ心隠しをり
すれ違ふ心隠せり夕顔に
○夕顔の咲けるに命ゆらぐ見ゆ あきのり
こまごまと世話され母の冷やそうめん
炎天の輝ける一歩アテネかな
○夕顔のぶらりと戦火知らぬごと のぼる
○冷やそうめんヘリ墜落のニュース聞く
地下鉄を出て炎天の九段坂
○炎天に戦敗れし子供の眼 さかもとひろし
夕顔や少年の悲哀今遠く
炎天に連山正しゅう全快す
悪くはないのですが、「芋の露連山影を正しゅうす」の名句あり。
○冷やそうめん好きだったよね亡き父よ 山野いぶき
炎天や大型トラック疾走す
賢治像の項垂れみちのく炎昼 美沙
みちのく炎昼賢治の像の項垂れ
○ひとり旅夕顔灯る宿に着く
岩手富士のねまる縁先冷そうめん
○夕顔の路地子恍惚の友見舞う みどり
アーメンそうめん冷やそうめん懐かしき
ミッションスクールでしたが、男子生徒が夏になると言ってました。
○うずくまる地にタンゴムシ炎天下
夕顔やロングドレスの腰揺るる 弘子
○冷やそうめん木の香の町に呼ばれけり
口紅を引き炎天を歩み初む
○炎天や渓間の玉堂美術館 二穂
○渓風の渡る小店の冷やそうめん
夕顔や風の止みたるゆうまぐれ
珈琲舗 古看板の 冷さうめん 姥懐
炎天や つひに北国 沸騰点
○炎天や 日本列島 横臥せり
なかなか面白い。若い女性とみるかどうか。
マチネーの跳ねてまつすぐ冷素麺 章司
夕顔や少女は山羊の乳絞り
○夕顔や荷台へ売られゆく子山羊
右隅に決まるスマッシュ炎天下
○切株が墓石のごとく炎天に 美原子
中七の発見、結構です。
素麺の束ほどく指もどかしく
夕顔に窓覆われて声かすか
炎天に浅間の煙白く見ゆ 悠々
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