道場主今月の一言 |
銀座俳句道場 道場試合第36回決着!! 3月の兼題は 「 彼岸」 「春の星」 「白酒」 でした。
長い長い今年の桜でした。こんなにもあちこちに桜が…という発見をした二週間でした。皆様も、楽しまれたことと存じます。 (谷子)
|
|
|
宵の明星の美しい景。労働したればこその賜りとも言えましょう。 | |
|
|
今も尚残る思い、です。 | |
|
|
切なくもあまやかな一句。 | |
【入 選】
手作りのワインラベルや春の星 晴子 |
白酒や八十余齢の母のこと 京羅坊 |
波音のなかの駅舎や春の星 美沙 |
白酒や壁に鳥獣戯画の布 水の部屋 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
今度こそ霊園ゆくぞという彼岸かな 清七
○春の星銀俳道場三年経ち
もう三年ですね。幼稚園卒業、次なるステップに。
○白酒をすこし興じてケアの膳
玄海といへば谷子や春の星 京羅坊
ありがたいご挨拶、痛み入ります。京羅坊さん、NHK全国大会ご出席でしたか?
ついつい口がすべります。中身は「春の星」ナノデス!
ふるさとの菩提寺遠し彼岸かな
○別盃に白酒酌みしこともあり 傘汀
○父母遥か戦友(とも)なほ遥か彼岸かな
○白酒のほのかな想い紺もんぺ 有楽
○凍土より還らぬ兵の彼岸墓
墓も六十年近くの年を重ねています。切ない句です。
○わたしよと告げしひとの春の星
「わたし」と名乗るのは特別の仲です。「告げたるひとの」でしょうか。
○彼岸西風特攻少年鎮魂碑 吐詩朗
怪訝げに子等の覗きしお白酒
○七戸にて 彼岸の準備 畑の墓地 花子
農村では、畑や田の真ん中に墓地があります。あの風景は日本人の原点と言えましょうか。
叱られし ころ懐かしや 彼岸来る
○春彼岸 母の遺せし 種を蒔く
「春彼岸」と「種を蒔く」共に季語ですが、この句では「母の遺せし種」ということと、
母上
への思いの深さ、「彼岸には蒔くのだよ」という声が聞こえるようなので、
このままにしておきましょう。
○春の星九九が上手に言へますやう だりあ
可愛いですねー。
○お白酒をのこのやうな女の子
祖母母と女系家族のお白酒
彼岸会や木の芽膨らむ石畳 正己
「彼岸会」「木の芽」共に季語です。
黒々と阿蘇の眺望大熊座
「黒々と阿蘇の眺望春北斗」
祖母の手がそっと持ち上ぐお白酒
彼岸回向経のをはりを唱和する 意久子
「彼岸回向経のをはりを唱和せり」
遠き日の白酒注がれ嫁御寮
○彼岸桜さげ一人ゆく叔母の墓
○灯(ひとも)して来し方のことお白酒 美沙
ぼた餅を配るおつかひ夢彼岸
一盃の 白酒に染まる 古内裏 泥臥
「白酒の一盃に染む古内裏」
吸殻は 片ずけ残し 春の星
御下がりの煎餅の折彼岸明け とみい
○未だ裸銀杏の梢春の星
○呼ばれたる白酒の呼び水となり
楽しい一句。なまじな一盃は…ですね。
○携帯の届かぬ虚しさ彼岸道 さとこ
まだまだと心の遊び春の星
白酒の甘き余韻にメールかな
少し甘いメールでしょう。
○はんなりと媼の白酒華やぎぬ 瞳夢
彼岸会の真西におわす阿弥陀様
○探査機の水やうつつや春の星
正座して少年白酒當をり 竜子
「當」一文字でどう読ませるのでしょうか?
彼岸会に母許のだんご振舞り
○林立のマストに春星瞬けり
「林立のマスト春星瞬けり」
○亡き夫の手なれし筆や春彼岸 方江
起された気がして見ゆる春の星
「起こされた気がして見たる春の星」でしょうか。
○白酒や内緒話に耳を貸す
○兄弟(はらから)の集ふ慣ひや彼岸入り 洋光
○春の星なにかいいことありそうな
白酒に昔語りの母なりし
お彼岸にボタ雪供えて善光寺 せいじ
「彼岸会やボタ雪供ふ善光寺」
○なんとなくむねわくわくや春の星
「なんとなく胸わくわくす春の星」
ロケ隊のキヤンパス占むる彼岸過ぎ 水の部屋
雅楽果つ春星仰ぐ余韻かな
時明かり読経きれぎれ彼岸寺 もと子
○春の星白寿の人の星かとも
雨ばかり腐れ彼岸と祖父の言 竹雄
「腐れ彼岸」、種蒔きとの関わりから生まれた言葉でしょう。
見上げても薄れておりぬ春の星
三姉妹生家に集い白酒を
「三姉妹生家に集いお白酒」
春北斗写経の母の手小さくて 晴子
○春の星糠床ゆるみをりしかな
日常実感がよく伝わる一句。
入り彼岸煩悩纏わり付きしまま 陽湖
○高遠の賑わい間近春の星
白酒やあと幾度を末の娘と
「末」がよく働きました。
○久々の映画帰りの春の星 山野いぶき
「久々の映画帰りや春の星」
春の星帰りの遅い夫なれど
人生に区切りつけたし入り彼岸
想い出は 語り尽くせず 初彼岸 河彦
○遠く見ゆ 母の病院 初彼岸
切ない思いが伝わります。
初彼岸 早や五ヶ月の 時は過ぎ
白酒や後片づけは夫がして たづ
○新調のスーツ姿や春の星
○発掘の中止となりて彼岸西風
彼岸過ぎ五時のメロディ空し みどり
○春の星涙目のごと母恋し
白酒に憂きことほぐれ溶けゆく
「憂きことのほぐれゆくなりお白酒」
彼岸入り終日揺るる防風林 弘子
○音のみの機影の行方春の星
白酒にかしづくごとしをのこどち
彼岸まで続きし命雲崩る さかもとひろし
昨年今年彼岸太郎の誇大風邪
もう少し言葉を選んでみましょう。
禅寺の彼岸修業空澄んで
○変わりなきこと喜びて春彼岸 美原子
○春の星古墳の森を点したり
白酒のワイングラスで供えけり
白酒や猫またたびと戯れて 章司
別れ道西と東に春の星
○ふるまはるあまざけ雨の彼岸寺
読みさして目を瞑りをり彼岸墓地
「読みさして」がどういう状況か?
両国を彼岸に渡る花曇 中土手
○豊島屋で白酒求む男どち
○春星やマンションの灯等間隔
○学僧の 寺継ぐ決意 彼岸経 姥懐
「青僧」の凛々しさ。
○春北斗 瞬きすれば またたきぬ
初節句 眼のきろきろと 雛の酒
彼岸過ぎ身軽になりて街をゆく 二穂
○浴窓に見え隠れして春の星
白酒に声弾ませて女どち
白酒や小さき手にも艶ありし あきのり
土匂ひ光放てる春の星
○たはんたはん銅鑼のゆるびし彼岸の会
「たはんたはん」がよく働いています。
「たはんたはん銅鑼のゆるびし彼岸寺」と。
無事祈るサモワの町や春の星 悠々
このページについてのお問い合わせは次の宛先までお願いします。
www@hb-arts.co.jp