道場主今月の一言 (悟り) |
銀座俳句道場 道場試合第32回決着!! 11月の兼題は 「 北風」 「七五三」 「枯れ野」 でした。 12月9日、「イラクへの自衛隊派遣」が告げられました。
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「妻の強腰」が、北風の強さを感覚として伝えます。 | |
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面白い一句でした。何だか大枯野で、「年をとっても男と女」と言っている感じと、その中での生きている者の体温が感じられます。 | |
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いわゆる「すかす」テクニック。トボケタ味わいです。 | |
【入 選】
母逝きて枯野に一人父の顔 河彦 |
写真館の掃き清められ七五三 弘子
結構です。なかなか面白い着眼でした。 |
両の手を高くひかれて七五三 もとこ |
日を溜めてやさしくなりし枯野かな 洋光 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
○カウボーイ駄々こねている七五三 瞳夢
池の面の北風浚いの風となる
○村営のバスは枯野を駆けてゆく
楽しい発見です。まるでトトロの猫バスのよう。〈村営のバス駆けて行く枯野中〉と。
きざはしに振り袖映えて七五三 正己
北風や柴を背負い老婆行く
〈北風や柴背負いたる老婆行く〉と。
行く道の草に隠れて枯れ野かな
〈行く道の草に隠れし枯野かな〉と。
○北風や日に1本のバスを待つ 花子
〈一本〉と。
北風が旨み引き出すみりん干し
大枯野母の立姿を夢に見る
〈大枯野夢見る亡母の立姿〉でしょうか。
千歳飴ビデオも入りし引出物 陽湖
○北風の伊那谷駆ける宅急便
「宅急便」はクロネコヤマトの固有名詞ですが、「宅配便」では速度が出ませんね。
歩を合わせ立ち止まる月枯野鳴る
藤蔓の太くからまる七五三 水の部屋
○朝北風やレバーペースト厚く塗り
○土手枯るる運河音なく雨入れて
外人のカメラはにかむ七五三 とみい
〈外人のカメラにはにかむ七五三〉でしょう。尚、外国人は「外人」という言葉、
とても嫌だと言います。
北風や戦ひ終へし野球場
○掘割を抜けて枯野へ武蔵野線
「堀割」でしょうか。
陶製の扁額古りし七五三 中土手
人買いやまがまがしきまで夕枯野
○日当たりて枯野の鷺の落着かず 吐詩朗
Vサインのいつものポーズ七五三
母そはそは祖母ゆったりと七五三
七五三葬儀とダブル家はずし 竹雄
北風に向かう米英いかにせむ
誠に誠に。とは言え、「いかにせむ日本」ですね。
○道連れもなく去り逝きし枯野かな
北馳ける少年剣士の片えくぼ 晴子
○風呂の湯のあふるる朝や北の風
マフラーの欲しき首筋日の暮れて のぼる
○冬霧やわれより羊歯の背の高き
「首筋」「背」、感じ取るに敏感な肉体の感。結構です。
○古き磴時雨の似合う観音寺
子を連れし渡り援ける北の風 泥臥
「鳥の渡り」でしょうが、一寸解りにくいですね。
小さき緑抱き枯野は風を呼ぶ
○金襴の祝い草履はすぐ抱かれ
北風のイラク派遣や大反対 清七
「北風のイラク派遣や」で、北風が吹く時だから反対しているように思われてしまいます。〈北風やイラク派遣に大反対〉でしょう。
高速道のスピード下げる枯野山
七五三櫓袷袢纏みかん投げ 意久子
「櫓袷袢纏」って、なんでしょう?
○ 疎開ッ子もと来た道の枯野かな
我が連れ合いは「最年少学童疎開児童」です。身に沁みます。
暮れ早し帰りを待つ身風の鳴る
〈暮れ早し帰り待つ身に風が鳴る〉
○故郷は枯野でさえも懐かしく 山野いぶき
北風に負けずに遊ぶ園児かな
○寒風やバス一向に現れず
○大北風や玄界灘の狂詩曲 さと子
○黒牛の由々しき姿枯野かな
忌明け待ち門前で祈る七五三
北風に塊ってゆくランドセル 竜子
○歩こう会歩巾まちまち枯野かな
賽をしてあとは抱かれて七五三
〈祓われし後は抱かれて七五三〉と。
北風が寺の竹林なでて行く 河彦
○北風に母の遺影を抱きかかえ
枯野行く音なき風のはだかりぬ もとこ
○北風は嫌いやさしき風を待つ
反り橋を肩車の児七五三 倭文子
○北風にドロップ缶の転がり行く
○赤牛の枯野を置きて牽かれ来る
○北風や旅立ちの子振り向かず 方江
○当てもなくゆっくり歩く枯野かな
カメラ見てかんざしゆれる七五三
七五三祝詞に倦みて欠伸の子 洋光
○北風を連れ来てくぐる縄のれん
お喰い初め 想ひにもはや 七五三 姥懐
○北風の 後ろ歩きの 登校児
枯野みち 往時の花に 屈まりて
○名を呼びて枯野へ窓を開いたり だりあ
○枯野行く大手を振って一人なり
姉おとと妹そろいて七五三 二穂
北風や遠き闇よりきたるらん
○枯野にも色さまざまにありにける
○人までも透けて見えいし枯野かな あきのり
○ぴょんと飛び石蹴りじゃんけん七五三
耳伏せてもう済みしこと北風の中
○北風へ譲れぬ一歩缶珈琲 章司
○北風やらあめん店へ続く列
両句共、小振りながら市井のおかしみが伝わります。
○トンネルを抜けて落暉の枯野かな
仔犬とも家族日和や七五三
北風吹くや豆腐屋の笛遠ざかる たづ
○撮る役の爺はこまめに七五三
枯れ野中SLの吐く黒煙
○北風にすすめぬ園児頬赤し せいじ
賑わいの想いでかなし枯野かな
「想い出」と「思い で」かなと思います。
○枯野来て自れの過去と往き会いぬ さかもとひろし
○侘しさも景の一つさ枯野行く
清兵衛もある日行ったよ枯野道
たそがれ清兵衛ですか?
○りぼん揺れ幸せ日和七五三 みどり
人影なし北風の坂犬横切る
○枯野行くあなたを心に棲まわせて
○北風やデモ隊流れ解散す 弘子
ぬれ鴉一羽枯野にホッピング
北風や難問奇問受験生 寒明
○ひとところ光集めて七五三
病む犬や枯葉の褥あたたかき
北風にわが名呼ばれて回り道 悠々
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