銀座俳句道場 道場試合第18回決着!! 9月の兼題は 「9月」 「秋の雲」 「濁り酒」 でした。 多くの新しい参加者を迎えました。ご一緒に真面目に、楽しく歩いて参りましょう。
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「獣の臭い嗅ぐ」が見事な把握でした。 |
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山村暮鳥の詩。その碑の上を過ぎる秋の雲。「翳り」を捕えて見事です。 |
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【入 選】
秋雲の入れ替わりをり峪の底 城生子(9月入門)
作者の視点、居る場所が明確に解る一句です。 |
秋の雲思わぬ形に飴細工 しづ子
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心身の でこぼこ繕う 九月のリビング ふづき
現代の日常を鋭く切り取っています。白いリビングの中に癒す心身。 |
秋の雲スーパーマンよ飛んで来い ちあん
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父の逝きし八歳よりの秋の雲 美沙
作者にとって、「秋の雲」はただ美しいだけでなく、哀しい記憶につながります。 「八歳よりの」が更に哀切です |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
秋の雲 喜怒哀楽や 百面相 蒼流
○9月なり 不安も不況も ぶっとばせ
9月は余程の場合(例えば9月11日など)以外は、やはり「九月」と。
○混迷の 世相悲しや 濁り酒
○コンサート野外劇場秋の雲 瞳夢(9月入門)
「秋の雲野外劇場コンサート」
小夜更けて静かにババの濁り酒
タフなババさまの姿。やはり「婆」と
しみじみと古里想う九月かな
○静けさや九月初めのプールの底 中土手
夏秋の雲の行き交うフォッサマグナ
○隣国の飲み屋ぬるぬる濁り酒
中土手さん、しっかりと書かれています。この調子で頑張ってください。
○濁り酒プライドという厄介もの 城生子(9月入門)
飛機に乗り地のうごきをる9月かな
送られる 闇夜に白き 秋の雲 泥臥(9月入門)
闇夜では雲は見えにくいのでは?「送られている秋の夜の白き雲」
夏痩せは 九月半ばの かぜを待つ
「夏痩せて九月半ばの風を待つ」夏痩せと九月の季重なりは、この場合構いません。
○我が父は オッホとよびし 濁り酒
夕暮れの赤提灯ににごり酒 西尾正巳
九月とは思えぬ今日の子等の汗
秋の雲ふくらむ雲の白眩し
「秋の雲ふくらんでゆく白眩し」
巫女の舞う千灯明や九月尽く しづ子
○濁り酒腑に沁みドラマ始まりぬ
移り行く車窓の景色秋の雲 松村 竹男
○妻と来て大観峰の濁り酒
○秋の雲 くじら浮きしと あやす守り 花子(9月入門)
○夢を見し ことは一瞬 秋の雲
しっかりと書かれています。どんどん書かれることです。
風の盆 すすり泣く夜の 九月かな せいじ(9月入門)
「風の盆」と「九月」を重ねないようにしましょう。「・・・・・すすり泣く夜の風の盆」で推敲を。
○吾亦紅 紅 点 点と秋の雲
濁り酒 といえば藤村 想い出す
「百名山」十一峰の甲斐秋の雲 山本洋光(9月入門)
「百名山」の甲斐といえば「甲斐駒ケ岳」。十一峰というのは、作者が百名山の中で、十一番目に登ったということでしょうか。「百名山の十一峰目や甲斐の秋」頑張って百へ。
○旅かばん仕舞ひてよりの濁り酒
ニンバスで銀色ひと吹き九月の山 さと子
「ニンバス」?。次回お教え下さい。追加――nimbusでしょうか?気象用語では雨雲や雪雲。
美術用語では後光、光輪。それにしても「で」がよく解りません。
玲瓏の天空にあそぶ秋の雲
「天空」「雲」はなるべく重ねないようにしましょう。「玲瓏と遊びはじめし秋の雲」
お好みは心に納めて濁り酒
「て」は削りましょう。
秋の雲 電話の声は くもりなき ふづき
○一つの星と なるすべなきか 9月の空よ
○お土産は ちゃだんご6串 京9月 宇佐美意久子(9月入門)
六串、京九月と。
ご先祖の 墓詣うでたり 秋の雲
○9月宵 十九の孫と 並び膳
「九月の宵十九の孫と並び膳」幸せな思いが伝わります。「菊の宴」でも。
○ 葉に戯ふ(そばふ)風のゆたかな九月かな 吐詩朗
○秋空の大きに溶ける小さき雲
離合さかん千差万別秋の雲
今年また 九月の涙 国へだて 河彦
濁り酒 過ぎ去りし時 よみがえり
「過ぎ去りし時よみがえる濁り酒」
○故郷の 言葉に酔いて 濁り酒
揺るること拒む九月の果実なり だりあ
○おもいきり九月の鯉の胴太き
助手席につぶやき置きて秋の雲
ため息の先に九月の天守閣 ちあん
何でつくため息なのかが、もう少しわかるように。
レプリカのムンクの叫び濁り酒
「濁り酒」でない季語の方が、句が生きるでしょう。
逃げ切れぬ猛暑猛追九月入る とみい(9月入門)
○秋の雲ひたすら走る武蔵野線
濁り酒清・洋までも呑む度量
始業はやとげ疼くごと九月来る 美沙
○ボッティチェリの青空飛べそうな九月
飛天追う技芸天ゐて雲の秋
○源流の澄みいし匂ひ九月かな 幼月
濁り酒振る舞ひ来るるかっぱう着
明六つの空一面に秋の雲
○秋の雲昏きに懸かり眼の病 章司(9月入門)
○たわむれに面影揺らす濁り酒
どぶろくの今にごり酒おり酒とも
間引かれしごとく虫の音九月逝く
「間引かれしごとくに虫の音の細る」
ジャズダンス熱気届くか秋の雲 山野 いぶき
「ジャズダンスの」
○秋の雲遠くふるさと想いけり
「ふるさとを遠く思えり秋の雲」
明け方に蒲団を掛ける九月かな
下宿へと 息子は戻り 早や九月 陽湖
○ 秋の雲 あの上我娘の 国なりき
切ない一句です。
○「どぶろくを売って やっと生きた」チョゴリの媼
群青の湖面に写る秋の空 芽衣子
○古り墓に供ゑまつらむ濁り酒
更年期 二人のぐちに 濁り酒 美原子
懸案を 九月の気候に背を押され
「懸案や九月の風に背を押され」
○もとめれば 逃げていきそな 秋の空
木道の響き九月の老教授 小島弘子
欲することも拒むこともなし秋の雲
「欲するも拒むもあらで秋の雲」
○蔵元に昼を居眠り濁り酒
受話器置き余韻のさびし九月かな 高木みどり
「九月かな受話器置きたるさびしさも」
○見つめればしきりに走る秋の雲
○片付けはもう適当に濁り酒
○悪し事は 言わぬ誓ひや にごり酒 古川孝子(9月入門)
○普賢岳峰に離さぬ秋の雲
○放課後の太鼓の遠音秋の雲
しっかりとした句がそろっています。
○にごり酒 少し残りて人を恋う 方江(9月入門)
子も孫も 去にて静かに雨九月
「子も孫も去りて静かや雨九月」「雨九月」の使い方、お上手です。
秋の雲 空路の下の 千枚田
ターナーの絵心浮ぶ秋の雲 坂元宏志
○湖畔には置きざりの夢九月来る
○猫の目のひかりやわらか九月来る
○ふと夫に寄りそうてみる秋の雲 よし子
山の雲影を透かして九月かな
乗せ給え同行二人秋の雲 悠々
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