ビックリニッポン日記 (10)

目黒 ゴン太

 つい先日、テレビ朝日で深夜に放映された“いじめ”をテーマにした討論番組を朝まで見た。中、高校生、現役教師、そのくらいの歳の子を持つ親たちが、“いじめ”という問題に直面している人々の生の声という形で、それぞれの意見をぶつけ合っていた。この日本にしては珍しい、新鮮な当事者同士の討論番組は、現在、いじめの深刻化している日本の現状を考えると、非常に意義のあるものだと思われる。

 酒鬼バラ事件前後から、様々な所でこの年頃の学生が抱える問題について分析、問題提起されているが、まず、“いじめ”等の問題を考えていく場合、専門家らの意見等を伝えるよりも、各メディアは今回の番組の様に、“いじめ”を受けて不登校となった学生、又、いじめを行った生徒らの意見を取り上げる努力をすべきである。そして、討論、対話形式の場を多く提供し、日本中に“いじめ”という問題につての認識を深めていくべきであろう。又、この番組を見ていて気になった点は、何事もまず型にはめて考えようとする大人(親、教師)達が、“いじめ”を受け、助けを求めようとしている子供達に直面した場合、対応できるのだろうかと疑問を抱く。これは、番組の中でも度々言われていた事であるが、“義務教育”、“学歴”等にこだわって、大人は勝手にレールを引いて、そこから少しでもズレる事も許さないといった観念を押しつけているのではないかと思う。義務教育や学歴というものを完全に否定するつもりはないのだが、それらにこだわるために学校が子供にとてつもない重荷となった場合にまで学校に通わせるということは絶対に避けるべきであろう。

 今の世の中、選択肢は至る所にある訳で、少しでもプラスとなる道を考えれば良いだけの話なのである。世間体、常識というもの等にとらわれず、もっと柔らかい考え方で年頃の子供には接する必要があると思う。


                

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