夢の一口メモ(一)

新山 恭子

 7月20日号から当分の間、「夢の一口メモ」をお送りします。

 人生を80年と考えると40歳は折り返し点となります。心理学者のカール・グスタフ・ユングは、40歳をはさんで10年(35〜45歳)の間に、その人の人生観をくつがえすような出来事がそれぞれに起きると言っています。

 他の人から見ると何でもない事件でも、その人にとっては重要なことで、その時にそれとどう向き合うか、やり抜いていくかで、その後の人生が変わってくると言います。恐れずに対決し、自分に向き合っていくと、後半をオリジナリティーのある人生にしていけるでしょう。人生の後半は、気力、体力が明らかに衰えてきます。しかし、内面をより深く、豊かに自分を味わえるのも、後半の時代です。

 ユングは、後半の人生にスポットライトを当てた心理学者です。前半を「模倣の人生」と考え、たくさんの要素を外から吸収する時代であり、後半こそ、本当の自分を生きる人生で、吸収したもので、その人らしいスタイルを確立する時代といっています。人生ははじめから用意されているものではなく、サンプルもないのですから、手探りで、自分なりの方法を発見していくのがポイントでしょう。夢の中には、その方法や現在抱えている問題のヒントとなる「宝」が隠されています。ぜひ、“夢の探検家”になって、夢を味わって下さい。


 ★新山 恭子(にいやま・きょうこ)1948年(昭23)12月21日、東京都生まれ。東亜国内航空(現JAS)客室乗務員として勤務した後、秋山さと子氏に師事しユング心理学を研究。現在は産能大学経営開発本委嘱講師を務めるかたわら、ドリームコンサルタントとして講演、研修などで活躍。ラジオ日本「新山恭子のドリームトーク〜夢はあなたへのメッセージ〜」(日曜後5:35)のパーソナリティーとして出演。 


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