女子高生はソックリがお好き?

山崎 れいみ

 渋谷を歩くと、制服を着た女子高生の多いのに驚く。制服の女子高生にはあちこちから声がかかるらしい。制服を着ていればモテるというのだ。だから彼女たちは、学校が休みでも制服を着て渋谷あたりに出動してくる。われわれが若いころ、休みを待ちかまえて制服から私服に着替え外出していたのとは、まるで逆、制服廃止なんて話はどこえ消えたのか。

 いったいどういうこと? などの詮索はあとにして彼女たちを観察していると、ルーズソックスはいまやお決まりの“制服”。足元から頭部の方に視線を移せば、髪や顔の飾りの派手なこと! 日焼けサロンで(20分3千円なのだそうだ)こんがり焼いたサーファー風の肌にパールっぽいメーク。そして最近とくに目立ってきたのが水色、黄色の大きな造花や、ショベル型の髪留め。“パッチン”というのだそうで、話し合ったようにサラサラの茶髪に飾っている。専門家に聞くと、頭や顔だけ派手に飾りたてるのは最近のファッションの傾向らしいが、どうも彼女らのそれとは関係なさそうだ。かといって制服がシンプルだからヘアやメークで変化をつけるという“高度”な発想でないことは確か。なんせ彼女たちのそのスタイルは制服だけでなく、全身そっくりなのだ。キティちゃんケースに収めた携帯電話を手にしているところまでも。

 おのれを装うのも横並び、援助交際も横並び……、などと恐ろしい話も聞く。いったい彼女たちはどう成長していくのだろうか……。


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