ビックリニッポン日記 (6)

目黒 ゴン太

 日本に帰って来て半年、つくづく感じるのは人の多さである。特に私の生活している場所が東京という理由もあるであろうが、電車や街の中には大抵の時間は、人混みでゴッタ返している。その中を、毎日、毎日、学校や仕事に追われ生活をしていくには並々ならぬ体力が必要であると痛感し始めた。まだ私の様な20歳になったばかりの者がこんな事を言うぐらいなのだから、例えば高齢者や又は逆に小学生以下の子供や、その子供を連れている親らが満員電車等を利用しなければならない場合、それはとても体力的に大変な作業であると思う。

 先日電車に乗る際、老人や子供以上に苦労している人を見た。その日は平日の2時頃私は大学が早く終わったので帰宅途中の駅で電車を待っていた。私の前には車椅子の男性と、その男性を手伝う2人の女性がいた。いざ電車が来て乗ろうとした際、なかなかその車椅子の人が乗れない状態だったので、急いで私ともう一人電車の中にいた男性とで手伝って電車に乗せた。その時に実感したのだが、車椅子を電車とホームの間の段差を上げるのは、非常に力の要る作業であり、手伝っていた2人の女性は大学生で、大学からの紹介でやるボランティアの人達だった。その2人だけでその作業を行うのは少し難しいのではないかと思った。2人の話では、車椅子の男性が買い物等の用事もボランティアの力無しにはとても困難だと言う。だから、女性2人というのは力不足と知りながらも頑張っていると言っていた。

 昔、私が小学校か中学校の頃の道徳の授業でビデオを見て習った様な事を私と同じ年代の人が当たり前のようにやっていたので、とても感心したと同時に自分も少し落ち着いたらやってみようと思わせてくれる出来事だった。最近、やっと日本でも神戸の震災や富山の重油流失事故等からボランティア活動が注目され始めた。私はまず小さな身の回りの活動から参加しようと思う。


                

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