ビックリニッポン日記 (5)

目黒 ゴン太

 先日も外国の飛行機事故についての日本の報道に疑問があると書いた。今回も、最近のマス・メディアの報道の仕方について意見を書く。その意見というのは、今、世間で大変騒がれている「首切り殺人事件」に関する報道のあり方についてである。

 最初に事件の報道を聞いた時、あの様な弱い者をターゲットにした、とても卑劣で残酷な事件が日本で起きたという事に、すごく驚いた。時間が経過していくにつれて、続々と様々な事実がメディアを通じて報道され、この事件の持つ特異性が明らかになってきた。これにより、世間の人々の関心はとても大きいものとなった。ここで疑問が生まれる。果たして、そこまでメディアはこの事件についての関心を煽る必要があるのか。

 決してこの事件についての報道をすべきでないと言っている訳ではなく、事件についての情報や新しく解った事実等はキッチリと伝えていくべきであると考える。しかし、今のメディアの報道は「過剰」の一言に尽きる。ニュース等でのこの事件に関する報道に置くウェイトが大きすぎる。何よりも疑問に思うのが、ワイドショー等で盛んに行っている犯人像の割り出しや、犯行声明文の分析をする必要性がどこにあるのかと思うのだ。それをする事で図らずも犯人の思うつぼにはまっている。殺した子供の首を校門の前に置くなどという事件を起こす犯人の狙いの一つには、世間の人々の関心を引きたいと思っているに違いない。この様な事は、報道する側の人々は言わずともわかりきっていることだ。その上で過剰な報道を続けているメディアは、ただ単に特異性を持った事件に乗じて視聴率、購読数UPのみを狙っているようしか見えず、もう少し考えて伝えてほしい。


                       

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