最近、野球解説者、栗山英樹さんの講義を聞く機会があった。ラジオやテレビに出演、スポニチにも執筆している栗山さんは明るく、歯切れのよい話ぶりで聴く人々に好印象を与えた。
オフレコの話もあったが、栗山さんの野茂、イチローとの交流などは興味深かった、。
講義の一、二を紹介する。
ID野球といっても、しょせんデータ重視である。そのデータも投手の配球の場合、キャッチーの人柄が現われる。ライオンズの伊東捕手でいえば、彼は相手の選手の裏をかく癖がある。たとえ、ゆるい球を痛打されると、多くの捕手は次は速球でくるものである。ところが、伊東捕手は次の打者にもゆるい球で勝負する。その癖をしっておれば、連打が生まれる。93年の日本シリーズで西武ライオンズを破り、ヤクルトが優勝した理由のひとつである。
打者に話しを移す。イチローは内角高めのストライクの球を苦手とする。イチローは苦心し、工夫をしてその球を打つ努力をして、その苦手の球を克服する。
松井はえてして外角球を苦手とする。松井はその球を捨て、自分の好きな内角の球をすべて打てるよう練習を重ねるという。
選手の性格がその打法に表われるのである。
人間のやること、何事につけその人の人柄が出るのは当然である。しかもプロ野球はお金が球場にいっぱい落ちているといわれる勝負の世界、もろに選手たちの人間性が鋭角的に表現される。
意地張り、頑固、執念深い、自己顕示欲が強いなどといった性格を持つ選手が勝負の世界で名をあげるのは、理由がないわけではない。