年輪は素敵に重ねたいものです昼下がりの地下鉄日比谷線、神谷町で乗り込んできた、年の頃は70歳くらいの老婦人、確かな足取りでつかつかとシルバーシートへ歩み寄った。残念、他のシートには空間があるのにシルバーシートだけ満席である。
老婦人、座っている一人の男性の前にスッと立ち、「おたく、お年はおいくつ?」
件の男性、なんのことやら分からずキョトンとしている。「お年は?」さらに問う老婦人。そして、やおらおっしゃいましたねぇ。 「私、73歳。おたくは私より若そうだから立って下さってもいいわよね」繙縺B
いや驚きました。彼女は、そそくさと立って別の車両へ行ってしまった男性のあとの席に、勝ち誇ったように平然と座ったのである。
いけしゃーしゃーと座席を分捕った“勇気ある”この老婦人の言動、周囲の乗客も唖然! お年寄りが乗ってきても、シルバーシートにふんぞり返り大股かっぴろげて知らぬ顔を決め込む若者には、血圧が高くなるほど腹が立つが、この日の老婦人の厚顔にはほとほと呆れ返ったというのが本音。
席を譲られると“あたしゃそれほど老いぼれちゃいない!”と怒るお年寄りの話は聞くが、席を譲れと強要する老人は初めてだ。
お年寄りはいたわりたい。大切に優しくしたい。が、老齢を笠に着て、その“特権”を振りかざすのはいかがなものか。この先そんなに長くはない。可愛いく愛されるお年寄りの方が得なのにね。