ビックリニッポン日記 (29)

目黒 ゴン太

 ニュージーランドに留学していた時、友人から「何故、日本人の女の子は、無意味に体を売るのか?」と聞かれたことがある。彼は日本を伝えるnewsの中に、"援助交際"についてのレポートを見た後であったらしい。彼らにとって、生活に困っている訳でもないのに、街で声をかけられてホテルへ行く女の子達は、とても不思議に映ったのであろう。

 この援助交際と呼ばれる若い女性が、小遣いかせぎの為に、体を売る行為が問題視され始めてからどのくらい経つのだろう。以来、様々な所で取り上げられ、門題の象徴の様に挙げられた女子高生の意見で、数多くあったものに、「一部の女子高生のやっていることなのに、何故全員同じように見るのか」「買っている大人にも問題がある」等がある。確かにその通りである。しかし、一部と言っても、大変な数の人数であった事も事実である。

 年齢が近いせいかもしれないが、実際に援助交際をやったことのある子の知り合いが、何人かいる。その子達は、私から見たら、何の違いもない、そこら辺にいる高校生である。では、何が彼女達を一連の行動に駆り立てるのかは、わからない。確かに、ブランド品や遊ぶ金欲しさ等の理由は有るかもしれないが、その代償としての行動の選択肢に、売春の様なものを選んでしまう意識の軽さがあり、そこが、今までの通念になかったものなのであろう。しかし、この意識の軽さは、これまでの社会の流れの中から根付いてきた日本の中にあるとも言える。

 遅れ馳せながら、行政が罰則を規定し始めたが、取り締まることだけでなく、一世代の突発的な問題の様に片付けることなく、もっと日本全体の中から生まれたものとして把えるべきだし、改善する為には、精神的な部分での育成を、若い内から力を入れてゆくべきであろう。


                

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