向 直美(フリーライター)
往復航空券7万7千円、小遣い3万円で1ヶ月インドを旅行してきた。
インドは日本に比べ物価も安く、貧乏旅行者には最適の国である。参考にはならないと思うが、こんな旅行の仕方もあるのか、ぐらいのことを思って頂ければ幸いである。
まず、格安航空券でインドに行く場合、昼には着けない。安いのには訳がある。たいてい夜中、1時2時到着は当たり前だ。
私の到着予定時刻は深夜12時半。しかも、無謀なことに1泊目の宿を決めてなかった。そこで、飛行機で隣の席の男子大学生を逆ナンパ。聞くと、彼も宿を決めてないとのこと。「旅は道づれ世は情」とはことこと。そう思いながら、インドに到着した。
朝まで空港で粘り、明るくなったら街へ出て宿を探そう。そう決めたが、ここはインド。日本のようにウェイティングルームなんて気のきいたものはない。
しばらくは空港内の椅子に座っていた。初対面の人とたいして会話が弾むわけもなく、2時間が経過。気まずい時だけが流れてゆく。
ここにいても時間が無駄に経つだけである。やっぱり街に出てみようと意見が一致。そこで、空港と市街を結ぶバスに乗ることにした。
インドに行ったことのある友人から、「インド人はスキあればお金をボろうとするから気をつけて。」そう聞いていたので、貧乏旅行者の旅のバイブル「地球の歩き方」で値段をチェック。市街まで45ルピー(152円)。書いてある金額を握りしめ、絶対ボラれないもんね。ボラれてたまるか!固い決意でバスに乗り込み、車掌さんにお金を払った。
席に着き、一安心。落ちついてチケットを見ると35ルピーの表示が…。固いはずの決意がアッという間に崩壊。いきなりボラれてしまった。車掌さんに言っても、「もらったのは35ルピー。」の一点張り。
ちくしょー。次からは気をつけるぞ。決意を新たにする中で、バスは安宿が多くある街“メインバザール”に着いた。(つづく)