マレーシアにノンチェックさんという親日家あり
信濃 太郎
この程私の市ヶ谷の事務所に川口という女性からメールが届いた簡単に説明すると。マレーシアの元上院議員ラジャー・ダト・ノンチェックさんは戦前、日本に留学したこともあり、日本とマレーシアの友好に貢献した功績により「勲一等瑞宝章」を受賞しており。マレーシア第一の親日家である。それにも関わらずネット上でマレーシアの友人がそのことを伝えたところノンチェックさんは実在しない人物である。そんなデタラメをいうなと誹謗中傷を受け勤めていた店も閉店に追い込まれてしまったというのである。
原文の主なる部分を紹介する。「ラジャー・ダト・ノンチック氏に関することで助けていただけないかと調べていくうち、こちらのホームページを知りました。
親日マレーシア女性、マストゥラさんという方がYouTubeで日本のいい所、日本の心を紹介してくれています。その中で、ノンチック議員の言葉を紹介する動画を作ったところ、今年の6月、マレーシア人を名乗る人物(アカウント@Syobon_san_)が、Twitterにおいて、ノンチック氏は日本の右翼が捏造した、存在しない人物だとのデマをマレーシア語で拡散しました。9300のアカウントがこのことを拡散し、さらにそこから広まっています」と訴える。メールをさらに続ける。
「何人かの有志が氏が存在する事を伝えましたが、その人はまだそのツイートを消さずに残してます。彼女はマレーシア語やハングルの言葉でバッシングされ、殺害・暴行予告まで受けました。彼女の職場も脅迫されたため、その店は閉店となり、彼女は職も無くし引越しを余儀なくされました。それでも新しい仕事をを見つけて、日本の良いところを伝える動画を作ってくれています。彼女の誤解をとくため、ノンチック氏が存在することを日本とマレーシア側に発信してもらえる方法はないでしょうか。
日本とマレーシア親交に務めて下さったノンチック氏と、その氏について伝える若い親日の方が故国の方にデマとされているのは、日本人として心苦しく思っています」
女性の頼みである。外国の出来事とほっておくわけにもいくまい。しかもノンチェックさんは昭和19年、南方留学生隊の一員として当時私が在学していた神奈川県座間の陸軍士官学校の南校舎(陸士59期在学中)に居たという。いわば私と同期生でもある。メールを送ってくれた彼女には「日本の新聞にも訴えなさい」とアドバスを送った。
ノンチェックさんについては土生良樹著「日本人よ ありがとう」―マレーシアはこうして独立した―(日本教育新聞社1989年11月1日初版発行)に詳しい。
この本の冒頭にノンチェックさんの詩が載っている。
「かって 日本人は
清らかで美しかった
かって 日本人は
親切でこころ豊かであった
アジアの国の誰にでも
自分のことのように
一生懸命つくしてくれた」
事実は強い。必ず事実は勝つ。ネットの世界でも時間がかかろうが同じ結果になる。