銀座一丁目新聞

茶説

米朝首脳会談は成功するが核廃絶は期待できない

 牧念人 悠々

核を廃絶したいという国の会談に臨まないわけにはいかない。相手は韓国と北朝鮮の首脳会談で「朝鮮半島の完全非核化を目標に合意した」のであれば会談を受けるのが当然である。外交上も理にかなっている。

世界が米朝首脳会談を歓迎する中、私は朝日新聞(4月29日)に載った北朝鮮から脱北したウェプ漫画家崔成国さんの「世界を相手にした"偽装平和ショー“に写った」の感想が本質を突いたものと感じた。しいたげられた者のみが持つ直感である。「銀座展望台」に2回、この問題について書いた。

1回目(5月10日)▼米朝首脳会談が6月上旬開かれる。表向きは成功するであろう。「核廃絶」「完全な検証可能で不逆的な核廃絶」は文書として残されるであろう。世界中が大歓迎する。北朝鮮の金正恩労働党委員長が2度も中国の習近平主席と会談、抑留した3人の米国人を釈放するなど会談に向けて並々ならぬ努力をしてきた。トランプ大統領も中間選挙も控えている。ノーベル平和賞の事も頭をよぎる。 問題は北朝鮮が「核廃絶」を実行するかどうかである。途中で辞めてしまうであろう。 国同士で交わした約束事が破棄された事例は枚挙にいとまがない。
最近の事例は日韓の「慰安婦問題」である。政権が変わったら前の政権の約束事が守られてない。日ソ不可侵条約もソ連に破棄されている。この場合どうなるか。最悪の場合は米朝の戦争であろう。 常に想定外の事態も考えて対処すべきであろう。

2回目(5月14日)▼北朝鮮の金正恩監督・演出のドキュメントドラマ「核廃絶への道」が幕をあげる。5月23日から25日の間に北朝鮮は核実験場の坑道を爆破する。アメリカ、韓国、中国、ロシア、イギリスの報道機関に公開する。 何処かでこれと同じようなドラマを見たような気がする。調べると10年前の2008年6月27日父親の金正日労働党委員長が核を放棄すると称して原子炉冷却塔を爆破した。この時は核放棄を目指して6者協議中で、米国CNN,日本TBS,韓国MBCがその模様を放映した。この際、北朝鮮は米国から「テロ支援国家指定解除」の制裁を勝ち取っている。それから10年未だに核廃絶は進んでいない。それどころが核開発は一段と進み、核弾頭を運搬できるICBMまで配備するまでになった。
南北融和の韓国と北朝鮮の首脳会談など一連の北朝鮮の動きに世界は歓迎ムードである。「歴史は繰り返す」「子は親に似る」。 6月に開かれる米朝会談も成功するであろう。世界は歓迎一色に埋まるかもしれない。が、それはあくまでも表向きでしかない。見せかけである。朝鮮は核を廃絶することはない。悲しいことにドラマ「核廃絶への道」は一場の夢でしかない。

重ねて言う。「歴史は繰り返す」。父親金正日は餓死者を放置し核開発に邁進した。それを放送までした(2002年4月22日)。その血を引く男の言うことが信用でいないのは言うまでもあるまい。