銀座一丁目新聞

茶説

総選挙・米国と北朝鮮の危機に思う

 牧念人 悠々

総選挙は自民対希望の対決の構図になり、文字通り「政権選択選挙」となった。時代の底流には『一強のおごりを許さない』という民意がある。世論調査でも内閣不支持率が支持より上回っている(42%対36%・毎日新聞)。10日より選挙戦が始まる。「小池劇場」の幕開けである。お芝居はどのように展開するのか、結果は予断を許さない.いずれにしても39パーセントに及ぶ無党派層の動向いかんにかかっている。投票率が高くなれば自民党は過半数を割る恐れがある。

解散の理由の一つとして安倍晋三首相は北朝鮮の脅威をあげた。「国難」とも表現した。国民に“覚悟"を問うたのだ。米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩労働党委員長のやり取りは一発触発の危機を思わせる。トランプ米大統領は国連総会で初めての一般討論演説で北朝鮮の「完全破壊」に言及した。アメリカは北朝鮮の核武装と米国本土へ届くICBMの保有を絶対に許すつもりはないからだ。時期が来れば、北朝鮮に対する攻撃を始めるのは間違ない。

2001年の9・11事件以来、国対国の戦争は起こりにくく、国対テログループの戦争になるといわれてきた。それは核の抑止力が働いて国同士の戦争はないだろうとみられたからである。ここにきて様相が一変した。北朝鮮は1994年(平成6年)IAEA脱退以来、33年間。曲折があったにしても核開発を進め、六ヶ国協議も適当にあしらい、國際世論を無視して核・ミサイル実験に狂奔、今日に至った。これまでもラングーンの大韓航空爆破事件、日本人拉致事件、異母兄の殺害など無法を繰り返し、何をやりだすかわからない"ならず者国家“である。恐らく核爆弾も使用するのに躊躇しないないであろう。

国際常識から言えば、国同士が平和を願うなら相手を刺激するような汚い言葉や破滅・超強硬手段などの脅しを控えるであろう。現実に世界の目の前でその『憂慮すべき事態』が起きている。「記録的罵詈暴言・脅迫・戦争勃発警報」というほかない。

米国の北朝鮮への攻撃の兆候はすでに出ている。米軍は今年、ネバダ州で核爆弾投下訓練を行ったことを公表。9月にはグアムからB1戦略爆撃機が北朝鮮東方沖を訓練飛行している。米軍は決心を固めたとみる。

直近の米国の世論調査(9月下旬)によれば50%を超える国民が北朝鮮へ軍事行動やむなしと答えている。さすが共和党内の世論調査では70%以上が先制攻撃を反対しているという。ニューヨークで記者会見した北朝鮮の李容浩外相は「米国は明確に宣戦布告した」と発言している(9月25日)。李外相は北朝鮮が太平洋上で水爆実験を実施する可能性を言及した男である。両国の緊張は頂点に達しているといってよい。

「茶説」(本年4月20日号)にも述べた。「両国の首脳の独裁的性格が気にかかる。トランプ大統領70歳。金正恩朝鮮労働党委員長33歳。孫ほどの年齢差がある。一方は民主的な選挙で、一方は世襲でそれぞれ最高位につく。人は権力の座につくと権力を誇示したくなる。若いほど自制心が効かなくなる。挑発に乗って暴走する恐れがある。この1年が最も危険水域にあるといってよいであろう」。この主張は今でも変わらない。

22日は投票日。結果は「腐っても鯛は鯛」か。それとも「小池劇場の主」か……

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