安全地帯(521)
川井孝輔
「四川麻将IN東京2016」に感あり
日本健康麻将協会の機関誌「健康マージャン」12月号に「四川麻将訪日文化交流団(12名)が日本を訪れ、日本選手12名と日中交流麻将大会を開いたという記事が載っていた(11月14日開催。場所・東京都千代田区神田神保町3丁目・協会道場)。「日中交流麻将大会」はすでに22回を数える。何故、中国の成都と疑問に思ったら、田辺惠三会長のあいさつの中に「成都の上空を飛行機で飛んでいると下から牌の音が聞こえるというジョークがある程、成都は中国全土でも最も麻雀の盛んなところ」とあった。今年の4月、協会の第21回訪中交流団が成都を訪れ「日中友好健康麻将テレビ対抗戦」に出場しているのでその返礼という意味もあった。成都は四川省の省都で中国一の生産量に数えられる農産物が多く豊の土地と知られ「天府の国」と呼ばれている。三国時代には蜀の劉備がここを首都とした。
日本の健康麻将は1、『賭けない』2、『飲まない』3、『吸わない』をモットーに発足、最近はⅠ、『健康づくり』2、『仲間づくり』3、『生きがいづくり』の大きく変貌している。そこへ中国から強豪チームとの対戦である。
孔子は言った。「学んで時にこれを習う.また喜ばしからずや。友遠方より来る、また楽しからずや。人知らず而して怒らずまた君子ならずや」孔子は学問をする道を述べたのだが健康麻将の道もこれと全く変わらない。「友遠方より来る」。政治の面でぎくしゃくしている。麻将を通じての仲間作りは意義が深い。ここ神田神神保町は周恩来首相が学んだゆかりの地でもある。
大会は四川ルールで行われた。成績は日本チーム4対中国チーム▲4で日本チームが僅差で勝った。勝敗は問題であるまい。親善友好こそが大切。中国側の1位(全体では3位)・袁静選手と2位(全体では4位)・付秋選手に四川省姉妹都市広島産銘酒がそれぞれ贈られた。中国側からは広島の石沢克己選手(5位)と石沢千賀選手(23位)にそれぞれパンダの掛軸が贈られた。
私が田辺会長と知り合いになったのは健康麻将協会が創立した平成5年(1993年)の秋ごろであった。時々、田辺会長を交えて健康麻将を楽しんだ。その事業にもスポニチとしてもお手伝をし、日中麻将文化交流も初めのころは参加した。田辺会長は中国に小学校も寄付している。雲南省中甸県の「日健麻希望小学校」とその姉妹校である貴州省鎮寧県の山村にある「日健麻友好小学校」である。その小学校の児童たちの絵の展覧会を日本で開いたこともある。
中国の交流団の張倹団長の挨拶の中で「以強弗能凌弱」(強さを以てしても必ずしも弱さをしのぐことができない)といわれたという。強さの中に優しさがあって部下を統率できる。柔軟な気持があればどのようなことが起きても対応ができるという事であろう。強いという事だけではだめだということである。含蓄のある言葉である。ともあれ日中の民間の根強い交流こそ両国の平和の礎になる。