参議院選挙の行方に思う
牧念人 悠々
参議院選挙の投票日は7月10日。あなたはどの党に、誰に投票するか。私はまだ決まっていない。投票すべき政党・候補者が見つからない。棄権も選択肢の一つだと思うようになっている。だが、候補者を選びたくても選挙がない国もある。次善の策を考えねばなるまい。
NHKの世論調査によると内閣支持率は47%、不支持率34%。自民党支持33.9%、民進党8.5%、公明党3.9%、共産党3.6%。野党が一人区で統一候補を立てる。ある程度の当選が見込めるであろうが、自民党・公明党の優位は変わるまい。まず自公改選過半数の61人当選(非改選自民65、公明11)はできよう。予想では自公ともに選挙前の議席を伸ばす数字になっている。毎日新聞の予想では改憲勢力に達する勢いと出ている。
”選挙は水物”。無党派層が40%もあっては、この無党派層の行方次第でどんでん返しと言うことも起こりうる。
「梅雨の空出入激しい浮動票」(詠み人知らず)
選挙の神様と言われた大麻唯男(1889年~1957年・国務大臣・国家公安員会委員長)は「どっと入りどっと出て行くのが浮動票(無党派層)」と言った。その行方がどうなるかわからないが、時にはこの浮動票が絶妙のさじ加減をみせる。改憲に必要な78人当選(自民65人、公明11人、おおさか維新5人、こころ3人、これに「78人」を足すと議席に3分の2の162議席となる)にわずかに足りない当選者になるかもしれない。
”アベノミックス”に陰りが見え、しかも18歳に選挙権が引き下げられた影響がどう出るか予想がつかない。「自民党参院選挙敗北と言う結果にもなりかねない。過去に例がある。9年目のジンクスと言うべきものである。
▼平成元年7月、宇野内閣の第15回参議院選挙。首相の女性問題・リクリート事件・消費税導入の影響もあって36議席となり過半数を割り込んだ(合計自民党109、公明21、社会党68、総計252議席)。投票率65・02%▼平成10年7月、橋本内閣での第18回参議院選挙.公示前70議席を超えると予想された。首相閣僚の恒久減税に関する発言が迷走したために支持率が低下、選挙区で2人擁立したことで共倒れが続出44議席しか取れなかった(合計自民103、公明22、民主47、総計252議席)投票率58・84%
▼平成19年7月、第一次安倍内閣の第21回参議院選挙。年金問題・相次ぐ閣僚の不祥事で37議席となり歴史的敗北となった。民主党が60議席を獲得第一党となった(合計民主党109、自民83、公明20、総計242議席)投票率58・64%。
平成元年より9年ごとに自民党が惨敗して内閣が倒れている。投票率がいずれも58%を超えている。投票率が高いほど9年目のジンクスが起こりうる。第二次安倍内閣の場合、9年前ほどのスキャンダルはないにしても自公が推した舛添都知事の辞職、辞め方がぶざますぎる。32ある1人区での野党共闘と言う新事態、240万人の18歳の新有権者の投票行動(投票率が高くなる・前回は52・61%)、消費税増税の再延期による福祉関連予算の削減、貧富の格差の増大、EU離脱による「円高」「株安」はアベノミックスの停滞の度を深めるなどマイナス要因がたくさんある。政治の世界は一寸先が闇である。いずれにしても10日に審判が下る。