銀座一丁目新聞

安全地帯(473)

相模 太郎

姉妹の確執か、朴家のホンネか?

8月1日号の本誌「安全地帯」に小生の記事「世界遺産登録への異議」について掲載した折も折、同日付産経新聞掲載記事(ソウル=藤本欣也)を見て目をむいた。要約すれば次の通りだ。

7月30日、日本から帰国した朴大統領(63)の実妹の韓国共和党総裁の妻で韓国災難救護総裁をしているという槿令(クンリョン)氏(61)は空港で、韓国メディアの取材に答えた。
靖国神社参拝について「日本の神社参拝は先祖を訪ねていくもので、100年前の先祖が悪いことをしたから子孫が参拝をしないというのは人の道にもとる。」「韓国が関与しようとするのは内政干渉だ」と主張した。
聯合ニュースによれば、
槿令氏は「天皇が頭を下げているのに、なぜ首相が代わるたびに謝れと言うのか。」
「日本は韓国の経済発展の基のなることをたくさんしてくれたのに、被害者意識だけ抱いていては国益にならない。」
慰安婦問題については、「元慰安婦をはじめ苦痛を受けた方々に対しては、韓国国民が国内で面倒を見なければならない。」と述べた。

韓国も民主主義の国、こうハッキリ言う人もいるのに感心、意を強くした。さすが、日本陸軍士官学校に学ばれた父君大統領朴正熙氏のことを思うと、これが朴家のホンネではないだろうか?姉の大統領は政治家とし、周囲の意見にがんじがらめに縛られ、あのような態度を取らざるを得ないのではないか。両親の大統領夫妻が凶弾にたおれ、無慈悲にも残された子供たちも60才を越し、姉は結婚もせず、父のあとを継いで政治活動に没頭し、韓国最高の地位についた。日本を知らぬ訳はない。努力はさておき、さぞつらい悲しいこともあったろう。つらつら考えるに天衣無縫の妹とは違い、孤独の人で、人知れず悩んでいるのかもしれないと推測するのは考え過ぎか。しかし、いまの姉大統領の行為は日本人にはいただけない。

お国では、大統領実妹、弟とも、問題児だったらしく余り評判はいい方ではないらしいが、それはともかく、甘いかも知れないが、この記事を読んで、ちょうど同い年ぐらいの二人の娘を持つ老生は、若くして両親を亡くし、生きて来た気の毒な姉妹に同情を禁じ得ない。オネーチャンも、妹の意見も少し取り入れた方が良いのではないか。和やかに国交を回復されるよう切望する。