銀座一丁目新聞

茶説

地域別所得と健康幸福度

 牧念人 悠々

全国1741市区町村の納税者1人当たりの年間平均所得を調べたところ平均所得の最も高かったのは東京都港区であった。1266万7千円。最も低かったのは熊本県球磨村であった。193万9千円。原因はアベノミックスで株と不動産の値段が上がったためである。「安倍政権下で格差拡大」と新聞は報じる。ひねくれ者の私は格差拡大は資本主義国の当然の成り行き、しかも懐具合で人の幸福・健康がそうそう簡単に左右されないだろうといいたくなる。
「膨れた財布がすばらしいとはいえない。しかしからの財布はわるいのだ」(ユダヤ格言)。
人口が必ずしも多い方が良いとは思えない。人それぞれだ。他の面でも・・
港区21万9千188人、
球磨村3783人(1970年には8592人もいた。4809人も減ってしまった。過疎化がひどい)
面積・港区20.37km
   球磨村207,58km
区の木、区の花 ハナミズキ、アジサイ・バラ
村の木、花   杉     山桜
花言葉・アジサイは「移り気・乙女の愛」。バラは「愛」山桜は「あなたにほほえむ」。
都会と田舎を比べるのは無理なのかしれない。だが健康・幸福は一概に言えない。村の木が「山桜」などはとても良い。
ネットで港区の概況を調べると次のようであった。
「企業が本社を最も多く構える区の一つであり、いわば日本のビジネスの中心である。虎ノ門・新橋・芝をはじめとしたオフィス街では、経済活動が非常に活発である。青山・赤坂などの商業エリアや、六本木などの歓楽街、麻布・白金台などの住宅街、汐留・台場などの大規模開発地区があり、さまざまな表情をもっている。東宮御所・迎賓館(赤坂離宮)をはじめとして芝公園・白金台の自然教育園など緑地帯が豊富な自然環境である。駐日大使館や外資系企業も数多く立地しており、外国人居住者も人口の約1割を占める」。
確かに「金銭は機会を提供する」。若者にはその機会が多い故にひかれる。
球磨村をネットで調べる。
『熊本県の南部、九州第2の河川「球磨川」中流部に位置する。面積の88%が山林で村全体が山岳地帯となっており、村の中央には球磨川が東西に流れ、川をはさんで北に白岩山(標高1,001メートル)南に国見山(標高969メートル)など700メートル以上の山々がそびえ、これらの山岳を縫って大小無数の川が球磨川に注いでいる。年間平均気温は、摂氏15度(最高36度、最低-6.4度)で冬季と夏季の寒暖の差が大きく、やや大陸的変化のある気候となっており、降雨量は比較的に多く、年間2,300ミリメートルをこえる。地域産業の主なものは、農業と林業。総延長4800mの日本でも屈指の鍾乳洞がある。球磨くだりは有名である』
毎日新聞の球磨村のルポ(4月17日)によると、民宿も兼業で経営はピンチで、村内の建設会社も次々に姿をけし65歳以上を占める高齢化率も今年3月巣に40パーセントを超えるという。「地方創生」と言うがそう簡単なものではない。
「健康」ほど大きな宝物はないという。都会と田舎のどちらでより得られるかと言えば田舎に決まっている。そこに「地方創生」の眼目のひとつがる。幸福がお金で買えないものと知ればもっと「地方」を見直しても良いはずである。「地域別所得の格差拡大」の報に、つれずれにこのようなことを思った次第である。