ビックリニッポン日記 (15)

目黒 ゴン太

 今、世界中で問題が叫ばれているものに“環境問題”がある。日本でも、ここ数年の間に関心が高まってきていて、メディアや企業、自治体等が、環境を守るための運動を繰り広げてはいるが、それでも、まだまだ民間レベルにこの問題の持つ深刻さが、浸透していない様に思う。

 この様に、ずいぶんと偉そうに書き出した訳であるが、それは、日本と私が留学したNZとの国全体の環境に対する関心の度合いの差を目の当りにしたからである。NZという国は周知の通り、環境に対して以前からとても敏感な国であり、数年前に行われたフランスの核実験の際には、最後まで反対をし続け、又、GREEN PEACE といった環境保護団体を支持する人々が、とても多いことで知られている。こうした国のカラーを見て分る通り、コロンガス対策、水質汚染対策等が徹底されている訳だが、こうした行政、団体の行動を裏で突き動かしている。“国民”の存在がとても大きいと言え、この国民、言わば個人の差が日本との決定的な違いであると思う。資源再利用等の自分達の身の回りはもちろんのこと、国レベル、世界的レベルの問題も、正に自分達自身の問題として把えているというのがとても印象的であった。例えば、GREEN PEACE 等の環境保護団体の活動資金となる車に貼るステッカーが、街中にあふれていたり、国内外関わらずどこかで環境に悪影響を及ばす様な事が起きた時は、すぐデモ進行など起こして民間レベルからの反対の意を表したりしている。又、教育の中にも、現状の環境危機を伝えるものがたいへん多く、若者の間でも非常に高い意識を持っている。

 NZは、オゾンホールの拡大の影響によって、紫外線の量が異常に多いため、皮膚ガンになる可能性が非常に高いといった、環境問題の直接的な被害を被っているせいもあるのだろうが、しかし、今日の環境問題は地球的規模で考えてゆかなければいけないのであり、日本も政府や民間団体、そして個人が具体的な対策を考慮してゆき、さらに実行していく必要がある。


                

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