道場主今月の一言 (社会性)「 |
銀座俳句道場 道場試合第28回決着!! 7月の兼題は 「 七夕」 「踊り」 「鮨」 でした。
暑中お見舞いも、豪雨や長雨のお見舞いに代わり、東京あたりは梅雨明け一週間後には立秋という有様。
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現代の七夕。「インディアナポリス」が秀抜でした。 | |
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雨の車中の静けさが魅力的です。 | |
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「また…擦れ違う」が、切なくも七夕の風情を伝えます。 | |
【入 選】
三陸の波きらきらと祖母の鮨 美沙 |
「郡上のナー」城が見下ろす初踊 幼月 |
七夕の唄声響く幼稚園 正己 |
笹鮨の笹の青さも信濃振り 中土手 |
七夕や逢瀬の遠くなりにけり 意久子 |
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
七夕の夜空を走るサテライト 竹雄
○友亡くて炭坑節の踊りかな
切ない一句です。
小皿積み回転鮨のあわただし
子供山笠星祭り娘の台上がり 清七
セピア色正調博多舞台晴
○はこ鮨の二列横隊決算期
「箱鮨」と。
往来を引きずる笹竹星祭る 瞳夢
往来を引きずってきて七夕笹
更けしより呆けて踊る自治会長
「呆けて」を再考。〈更けてより自治会長も踊りの輪〉
新妻の厨の鮨や修羅となる
○七夕やひとと別れし朝(あした)かな 瑠璃
踊り唄果てたる後の波の音
きちんと書かれていますが、類想句多いです。
○間男と目交せもあリ盆踊り
なかなか大胆なる一句でした。
七夕や不気味に光る北の星 とみい
「不気味」はどうも。〈七夕や北に輝く一つ星〉
人妻の隣の芝生盆踊り
「隣の芝生」が青く見えるように、踊っている人妻が美しく見える、ということなのでしょうが、どうも、省略し過ぎです。
鮒鮨をブラックバスに食わせたし
○七夕やあまたの「ささ」に酔いしれて 花子
あまたの「酒」でしょうね。酔っての
艶っぽさが伝わります。
白粉の匂いが迫る踊り蓮
「踊り連」でしょうか?
湯葉鮨や加茂川(かも)の大堰水の音 もとこ
〈湯葉鮨や水音高き加茂川(かも)の堰〉
○ゆば鮨や京へ女のふたり旅
JRが喜びそうな一句でした。
踊うた川風にのり家路まで
疎開地の背(せな)を押されて盆おどり 意久子
〈疎開地の背ナを押されし盆踊り〉
ときめきて会ふた日の別れ寿司処
○太文字で鮨と書かれた藍暖簾 正巳
おさなごのおぼつなくて盆踊り
〈児と爺とおぼつかなくて盆踊り〉
七夕の短冊裏まで願いごと 洋光
○ためらいつ母に付き入る踊りの輪
青笹に切り分けられて鱒の寿司
〈青笹に切り分けられし鱒の寿司〉
七夕や転職通知受けとりき だりあ
〈七夕や転職通知受けとりし〉
○七夕や遺されてゐる硯箱
○七夕や短冊結ばぬ老の家 幼月
「願い」もすでに無く…というところでしょうか。静かな佇まいです。
朴葉鮨青の香りを包みおり
○七夕や句の上達を短冊に 陽湖
頑張って下さい!
○法被着てドクターナースも踊の輪
〈法被着てドクターナース踊りの輪〉
お供してくぐる銀座の寿司暖簾
○「やりたい、したい」子等のいろ紙星祭 吐詩朗
ゴスペルを好む人らと盆踊り
脱サラのシェフのバッテラ店自慢
○矍鑠と踊り上手も輪に混じり 亀山竜子
雲の上さらさらさらと七夕祭り さと子
〈雲上のさらさらさらと星祭り〉
ニューベビー嬉しくて踊る待合室
琥珀色アメリカンドリーム鮨暖簾
〈琥珀色のアメリカンドリーム鮨暖簾〉
○風が来て七夕飾りの遊びだす 晴子
〈風が来て七夕飾り遊びだす〉
下駄飛ばし明日の天気や盆踊
○星今宵ミックスピザを焼いてをり
○老幼の短冊元気星祭?? 中土手
酔芙蓉地下女将軍安らけく
○逝きし子の鮒鮨好み父に似ず 倭文子
○七夕の色紙にハート三つ並ぶ
〈七夕の短冊ハート三つ並ぶ〉か〈ハート型の七夕飾り三つ並ぶ〉
古希を過ぎ未だ見世物盆踊
七夕や児らの無いものねだりかな たづ
八木節のテンポの早き踊りかな
○母の忌や厨に満る鮨酢の香
○色溢る七夕の街団子買ふ のぼる
木曾谷の哀調にじむ踊り唄
○笹鮨をみやげに提げて夜行バス
静かに旅の喜びが伝わります。
手拭いを小粋ににかぶり盆踊り 二穂
○柿の葉の熟れ鮨村の馳走なれ
○七夕の願い儚し夢に逢う
○開墾の汗を語らず星まつる 泥臥
○ 踊りの灯一つずつ消して魂おくる
〈踊りの灯一つずつ消し魂送る〉
鮎の鮨今年もはるばるともに喜寿
七夕や心酔せる夕化粧 方江
○踊り女の指先白し風の盆
○君と在りし遠き日の香や粽鮨
「遠き日の香や」は、結構でした。
七夕のみそか心を雨しきり 章司
「みそか心」とは?
逝く人の終のひとくち穴子鮨
○茶香炉や鮨職人の徹る声
○祭り笛あぢさゐいろの風生るる
〈あぢさゐの色の風生る(ある)祭笛〉
佃島開府四百年の盆踊り 河彦
盆踊り駄菓子屋の灯にはしゃぐ子ら
〈駄菓子屋の灯に子がはしゃぐ盆踊り〉
その日その日日々七夕の想い抱き
思いの深さは解るのですが、いささか「日」が重なり過ぎます。
年毎の 検診了(す)めば 星迎へ 姥懐
しなづくり 母親(おや)のけはひの 踊の輪
「科つくり」ですか?「気配の」というのはどういう情景か心象なのでしょうか。
○新任の 尼僧の斉(とき)の 稲荷鮨
○あんどん山車曳く火の色の星祭 美沙
鹿(しし)踊の遠き太鼓や父の墓所
○七夕やビル街の園児笹運ぶ いぶき
〈ビル街の園児等運ぶ七夕竹〉
楽しげな回転鮨の親子連れ
○故郷の谷間に響く踊唄
七夕竹重き願いに耐えかねて 寒明
○踊の輪はずれ悲しき鼓動かな
○樽鮨や車窓はりつく日本海
七夕竹願いの多くこうべ垂れ みどり
大将のご自慢鯖鮨葉蘭敷く
〈大将の自慢の鯖鮨なりしかな〉
神楽坂沸き登り行く阿波踊
壕沿ひに歩いて別る七夕夜 弘子
このままでもよろしいですが、
〈七夕の夜や濠沿いにまだ歩き〉でも。
○鮨飯のほのかな温み病癒ゆ
○幾重にも弾け駅前踊の輪
海渡る願いはひとつ星祭 古井一歩
読者には「ひとつの願い」がどんなものか伝わってきません。
誕生日回転寿司で家族祭
○盆踊り夜空に響く太鼓の音まる
周りみて抜き手を切るごと踊り中 あきのり
〈踊りの輪へ抜き手切るごと入りにけり〉
○七夕やまたたきてまた星生まる
○とんと地をたたいて入る 踊りの輪
〈とんと地を蹴りて入りぬ踊りの輪〉
七夕や 銀河をかける夢をみし
佳人いて同時多発の踊りの輪 さかもとひろし
七夕に会わぬ星ある歌舞伎町
〈誘われて七夕の夜の歌舞伎町〉
○入れずに輪の外踊るひとりっ子
○父の呼ぶ声聞けそうな踊太鼓 美原子
七夕にファックス届き願いごと
〈ファックスで届く願いや星祭り〉
土産鮨寝た子を起こしすすめたり
盆踊り喜怒哀楽も渦の中 悠々
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