銀座俳句道場 道場試合第16回決着!!  

7月の兼題は 「セミ」 「噴水」 「夏休み」 でした。

猛暑お見舞い申し上げます。
    八月十八日(第三日曜日)午前8時からのNHK教育テレビ「俳壇」(選者・寺井谷子)に
    当道場の道場主がゲスト出演致します。(二十一日(水)早朝と二十三日(金)昼に再放送あり)
    是非ご覧下さい。 

 

 噴水の変化を表現した部分は、そのまま、楽しんでいた時間を伝えます。

 夏休みが終わる、それは成長の時間。成長することの哀しみが「夕暮れて」で伝わります。

 旅の、それも一人の開放感といささかの寂寥がよく伝わります

【入 選】

朝の噴水身透き通るまで立ちつくす     美沙
        佇(た)ちぬ
噴水の向こう青春置いて来し    西村倭文子
うつせみの五百羅漢に吹き寄せり     清七
         りぬ

唖蝉の静かに暑さ広がりぬ      高木みどり
「唖蝉の」で切れて、「静かに暑さ広がりぬ」です。「蝉」「暑さ」と季語が重なりますが、このままで結構です。

噴水の多き街ローマ鷹飛翔     坂元宏志
「鷹飛翔噴水多き街ローマ」

   【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)

噴水のスナップ写真はヴェルサイユ     竹男
 耳なりをセミが鳴いたと妻に問い

拝啓と書いて筆置く蝉の声         ちあん
 木の上の子はターザンになる夏休み
            (なる)は削りましょう     
陽をうけて 噴水の飛沫(しぶき) 虹になる   水蓮
 年をとり 待ってもこない 夏休み
 蝉、ミミズ 古今東西 薬なり

 蝉生る夜を穿ちて翡翠の翅         美沙
空蝉のすがりしままの葉の孤独
 夏休み夢のつづきの祭笛
鹿(しし)踊りの角に風立つ盆休み

 野良猫と距離近くなる夏休み       西村倭文子
雨脚の見えて片側蝉しぐれ

 噴水にネオンの色の繁吹きける      清七
 夏休み空席ありと孫インド

 鳴けもせず唯しがみつく初蝉か       さと子
 母思う 時には強く吹き上げて
   「母思う噴水強く上がる時」
 火ぶくれて応援応援の夏休み

 嵐くる前ぶれの雲蝉時雨          小島弘子
西空は未だ暮れきれず噴水に灯
   「噴水に灯が西空の暮れきれず」
 いのちの種握りて子等は夏休み

 噴水にタクト振るひと三拍子        高木みどり
夏休み石鹸を買ういいにほひ
   「いいにおいの石鹸を買う夏休み」

 熟れ頃に華やぐ声やメロンの香      古井一歩
 産声にジャニーズ系よと夏の草
   「夏の草」は再考を。折角の産声ですから。
 夏草や光る川面に羽村堰
   「夏草や川音高き羽村堰」
 朝はなし夕に圍を張り蜘蛛座る
   「夕空に圍を張り終えし蜘蛛坐る」

初蝉とメールの知らせ南から       河彦
 猫が追う蝉はかなくも命なり
 蝉と遊びし少年流転流転して
   「何処にか蝉と遊びし少年は」

 引出しも持ち帰る子ら夏休み        よし子
噴水の向ふの夫は揺れてをり         

 始まりは噴水大河ドナウ行く        坂元宏志
 蝉時雨嵐の中の筆一本

 つれづれなるまま蜩の声澄めり       青木佳之
長考の末噴水笑ひ出せり
 夏休み入荷とともに売り切れぬ

 近づけば一時止まるセミの声        芽衣子
噴水のしぶきの中に犬遊ぶ
 短パンに若づくりしてみる夏休み

 蝉の声 お蔵隠居所 亡父の里        陽湖
   亡父の里のお蔵隠居所蝉の声
 噴水の尖(さき) 遥か先 八ヶ岳
   噴水の尖や遥かに八ヶ岳
 夏休み 腕白逃げ込む 亡姑の室
   夏休みの腕白逃げ込む亡姑の部屋

 噴水や待つ間を忘れ指を折る        悠々

 

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