銀座俳句道場 道場試合第12回決着!!  

2月の兼題は 「3月」「ブランコ」「すずめ」 でした。

 今回で一年が終了しました。新しい一年へ向かって、これまでの題でもう一度自習をなさってみると、変化がご自分で解るかも知れません。勿論、新しい題にも果敢にチャレンジして下さい。 
※尚、今回の題の内、「雀」は、「雀」だけでは春の季語として使えません。「雀の子」「子雀」「親雀」「春の雀」という風にお使い下さい。

 ベランダに置かれた中から、「桜草」を選びだしたのが成功しました。明るく清潔な三月の朝を思います。

 「てっぺん探す」が眼目の一句です。

 三月を実感させる日差しの中、歩いて行く先には、沢山の春の花を溢れさせている花屋が、春の光を集めて輝いているでしょう。

【入 選】

 チェンバロの響き三月が生まれる  青木佳之
  噴水の光の粒飲む雀の子      みどり 
  待ち疲れてぶらんこの傍らに    河 彦   
 三月や耳納の風と共に来る     坂元恵子
 「耳納(みのう)」は「耳納山」の略
 三月や酢飯に散らす紅しょうが   芽衣子 

   【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)

雀の子水掛け不動の路地に入る  ちあん
 ふらここや小心者は小さく漕ぐ

 水たまり雀水浴びウォッチング      松村竹雄
 三月はオリオン薄る頃となり
 雨上がりブランコのした映る空
    ぶらんこと空の映りぬにわたずみ

 ぶらんこで 膝の子こっくり 若き日々   陽湖
伊那谷は 雀のお宿が そこかしこ

 三月や北方返還霞む空           清七
 ぶらんこで昔の話みどり児に
 引越しにお迎えの声雀の子
    引越し先で迎えられたり雀の子

 畦道に白黄紫三月か            さと子
 鞦韆に揺れてみようか君がまま
   鞦韆に揺れよう貴方が漕ぐままに
 雨宿りさっと飛び立つ雀の子

三月や天掴まんと豆の蔓          美沙
 三月の少年声の大人びて 
ぶらんこを滴りそうな月に漕ぐ
ぶらんこや沈丁の香の風になる
砂浴びの子雀花の鉢に来る
   句が揃っています。

 甘酒の匂い流れてひなまつり        峰子
ふるさとのうるむ川辺に雀かな
   ふるさとのうるむ川辺や雀の子
 春暁の朝をつげる雀たち

ブランコの 少女のスカート 風を切る   大根の花
 カラス去り 雀つっつく 家庭ゴミ
 三月は つらい思いの 玉手箱 
    「三月」という月は明るいだけではないのですね。新しい
    出発を前にしての別れ。どんな辛い思いが詰まっているのでしょう。
    春の憂愁を思わせました。


 弥生三月 夢果たせずに 合否厳然     河彦
 ブランコの かたわらに一人 待ち疲れ
   待ち疲れいるぶらんこのかたわらに
 まろまろと 肥たる雀 花の下

 三月の朝山椒に淡みどり          小島弘子
ぶらんこや思い出せぬ父の声
  雀くる小さきベランダ桜草

 教科書を手にアフガンの子弥生笑む     高木みどり
 ぶらんこは鞦韆と知り水を飲む

       
 ブランコやゆすれば天は逆さまに      坂元恵子
 ブランコと子らがふりまく笑い声

 三月の詩人誕生筑紫人(三月三日は曲水の宴) 坂元宏志
 人気なく朝の鞦韆気韻吐く
   人気なき朝の鞦韆ゆらと揺れ
 主人(あるじ)なきぶらんこ大揺れアフガンの

 三月の空を疾風がかけめぐる        芽衣子
三月や束ねし媼の髪光る

 悩やみ事ブランコに乗ってゆれている    美原子
   ぶらんこに乗って揺れてる悩み事
三月の川に詩吟の声流れ
 つかの間の雨の晴れ間を雀飛ぶ 

 三越のライオンの横雀二羽         青木佳之
   三越のライオン像や雀の子
    「○○○銀座三越雀の子」でも面白いかもしれません。

 ぶらんこに仕切りの秘訣見つけをり

 訪れる つがいのすずめと 朝食を     古井一歩
 春のブランチ番雀の来ておりぬ
三月の ショーウィンドーは 花の色
 母へ向け ブランコゆらす 幼き子
   母へ向けぶらんこもっと漕いでいる

 3月の庭を唇にのせる           青木由弥子
   仰ぎ寝て三月の草唇に
 ぶらんこにこぐ作法あり小さき靴
 仏飯集う雀や顔いろいろ
    仏飯に来ていろいろな雀の子

 子をなくしブランコゆする友あわれ     悠々

 

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