

| 銀座俳句道場 道場試合第9回決着!! 12月の兼題は 「師走」「みかん」「山眠る」 でした。 
 講評:  頌春 | 
|  「窓に眠れる山」を「磨く」、ピカピカになっていく窓、それにつれて明晰になる | 
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|   ふいに象が現れて、一寸びっくりしますが、下五に行き着くころには、 | 
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【入 選】
| 言いにくき事やみかんの香り立つ   美沙 | 
| くつくつと煮る手羽大根山眠る 小島弘子 | 
| 稜線は哀しみの青山眠る 高木みどり | 
| みかん筋とことん取りて人を待つ 美原子 | 
| 誇大妄想のままみかん熟るるか 青木佳之 | 
【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)
 メモ増えて 消せぬ間一日 過ぐ師走      陽湖
 在りし日の 吾娘慰めし窓 山眠る
 エチュードの一節飛ばす笛 師走        美沙
◎言いにくき事やみかんの香り立つ
 田舎にもイルミネーション師走かな       松村竹雄
 開墾のみかん畑も安値かな
○活気生む季節を信じ山眠る
○リストラで 迎える師走の 街眩し       大根の花
 持ってきな 取り立てみかんを 宿の婆ば
  「持ってきな」は「持っていきな」ですね。
 野良の師走 童女が餌を 運び来て        河彦
  「野良」は野良猫、野良犬の略でしょうか。いささか乱暴でした。
○みかん一つ ポケットにあり 酔い覚めに
 屋台酒 言葉のぬくもり また師走
 無造作にみかんを口に運ぶ人           ちあん
 さて次はこの指とまれ師走駅
○「戦」の師走降り階段を登る         小島弘子
 手の甲のしみかぎりなし蜜柑むく
◎くつくつと煮る手羽大根山眠る
○師走道戻りて一円玉拾う           高木みどり
 なぜテロかわれに重なりみかん食む
◎稜線は哀しみの青山眠る
 街に出て師走の風にふかれ居り        芽衣子
○山眠るお針仕事は苦手なり
◎みかん筋とことん取りて人を待つ       美原子
 迂回路で友と出合えり師走の夜
 山眠り破れ障子を繕いぬ
 一服にまた塵見つける師走かな        さと子
 釣り糸や獲物はみかん幼き日
○噴煙をすーと伸ばし山眠る
 ロゼットに地球預けて山眠る
(平たく八方に葉を広げる越冬草)
○道行の参と商の星山眠る           青木佳之
◎誇大妄想のままみかん熟るるか
 シスターは師走の夢の中にをり
○蜜柑むく故人豊かに笑いけり         青木由弥子
 ことさらに仕事探して師走かな
○山眠る少しキルトする産着
 添削〈山眠る産着に少しキルトして〉  
○一山が朝日の浄土みかん山          坂元宏志
 八代海語り部となりしみかん山
 師走波燥いで疾し筑後川
 奥多摩峰 生生世世に 山眠る        古井一歩
 仕事励み こころ足りたる 師走なり
○蜜柑むく 言葉はなきも 灯の夜
○独り居の 目にやさしきは みかんの色    沙羅双樹
 せわしさよりも事件ばかりの師走かな     堀 裕子
 みかん箱にのってきた児と言われつつ
※ この一句、何だか解るような解らぬような。「橋の下で
 
拾った」なんてよく親がからかっていう、そのような
ことなのでしょうか?。
 登山家の命とともに山眠る
 子を見ずに山に消ゆ友の師走会        牧念人 悠々
<11月の掲載洩れ投句>
○セ・ラ・ヴィと 一人つぶやき 冬来たる    河彦
 なかなかお洒落な一句です。ただし、何度もは使用し難いところです。
 ざくろはじけ 冬の流星 ものかはと
 「ものかわと」はこなれていません。
○枯葉落つ 酒酌み交わす テーブルに
 この句と「セ・ラ・ヴィ」の句と一組に出来ますね。
 手違いで、ご迷惑をお掛けしました。

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