ニッポンビックリ日記 (1)

目黒 権太

 中学校卒業後、私は、ニュージーランドに留学をした。4年後の今年、日本の大学を帰国子女枠で受験し、見事に合格した。実は、日本に帰国して、大学に入れるとは思ってもみなかった。日本で大学に入るために、激しい受験戦争をしてきた方々には申し訳ないほどに、「勉強」というものをせずに入ってしまったからだ。

 オマケの様な感じで入った大学でしたが、私のそれに対する期待はとても大きいものでした。大学という所は、自分の興味のある分野の教科をトコトンやれるという、そういう意味での自由は確立されているというイメージを抱いていたからだ。しかし、そのイメージとは、現実は、かなり違った。確かに、何を学び始めるにも基礎というものは、大変重要だと思うが、あまりの指定された教科の多さに、ビックリした。つまり、いくら学びたいと思う教科があっても、選択できる教科枠が少なすぎる様に思う。また、同じ学科の人とは、ほとんど同じクラスになることが分かった。これが意味するのは、大学が学科ごとに型にハメるシステムを作っているのだ。

 ニュージーランドは、15〜16歳のころから、大半の教科を選択できる自由が与えられているために、大学に行く場合、自分のやりたい学問への準備がかなりできていて、大学では自由に選択できる。日本の様な大学に入るのをゴールとする教育制度の中で、いきなり、大学に自由を求めるのは、無理な話なのかもしれないけれども、もうすこし個々の自主性に任せて選択できる教科の枠を、広げた方がよいのではないか。なぜなら、大学に入った時点で、各自で将来を見据えて選択できるだけの、年齢と意志は十分にある。だから、いまさらレールを引いて誘導する必要は、あまりないように思った。


                       

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