新山恭子の気軽に心理学(6)
自分を表現する

新山 恭子

 人生とは、自分を表現して行く事であるという言葉があります。話したり、書いたりだけが表現ではなく、衣服、表情、行動すべてが、その人の表現になります。家事も、その人らしい食事や、インテリア等で充実したものになりす。仕事のやり方、人との関わり方等,人真似ではなく、自分らしいスタイルを創っていく姿勢が、日常をより豊かにするでしょう。ちょっとした工夫やアイデアが、思いがけない自分らしいスタイルを産み出していきます。私達は、何かドラマチックな事や、おもしろい事がないと、毎日がつまらなく感じ、ありきたりの単調な暮しに、うずもれていきます。そこには、自分を表現する行為が、全くなく、生きているのに、生きていない状態になります。私は、子育てに追われている頃、忙しさの中で、自分を見失っていた時がありました。「つまらない、忙しい」と毎日を過ごしていると、子供との関わりが形だけの物になり、いつも不満を感じていました。

 ある時、突然どうせなら徹底的に関ってみようと思い、夜、子供を寝かせる時、それまでの、早く寝る様にとイライラしながら、本を読むのではなく、感情を、思い切り表現して,本の読み聞かせをしました。又、ぬいぐるみを使っての創作人形劇をしたり、大声で歌を歌ったりと、役になり切ってやってみました。すると意外に私の気持ちの発散になり、子供達は、目をキラキラと輝かせ、「次はどうなるの?」と聞いてきます。この時、私達親子は、同じ時間を、楽しんで共有していたと思います。時間、空間を楽しむ能力は、誰でも、ちょっと気持ちにゆとりを持てば、育てていけます。どんな形でも自分を表現すると、心のバランスが取れます。現代の子供達は、育つ段階で、時間、空間を共に、楽しむ経験を積み重ねてきていないのではないでしょうか。自分を正当に表現できなかったり、会話を楽しめない為、いざコミュニケーションを取るとなると、暴力や、ナイフでしか表現できないのかもしれません。小さな事の積み重ねが大きな実りを産み出します。身近な所から、生き生きとした自分を、取り戻す工夫をしてみては、いかがでしょう。


 ★新山 恭子(にいやま・きょうこ)1948年(昭23)12月21日、東京都生まれ。東亜国内航空(現JAS)客室乗務員として勤務した後、秋山さと子氏に師事しユング心理学を研究。現在は産能大学経営開発本委嘱講師を務めるかたわら、ドリームコンサルタントとして講演、研修などで活躍。 


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