銀座一丁目新聞

茶説

小池百合子東京都知事と都議会議員選挙

 牧念人 悠々

東京都議会議員選挙が終わる(2日)。時代の流れは明白である。新聞の電話世論調査の結果がそれを示していた。都議選は次の総選挙を先取りするといわれる。とすれば自民党は次の総選挙で大敗する可能性がある。「銀座展望台」(6月19日)に次のように書いた.『天下人もすべてが許されるわけではない。目に余ることをすれば国民の批判にさらされる。
加計学園問題―特区を利用した役得。
共謀罪―人権・自由を侵す恐れのある悪法。
民主主義―数さへそろえば何でもできる。
それに反発する国民は少なくない。
その結果が毎日新聞調査の内閣支持率。「支持」36パーセント。「不支持」44パーセント。不支持が8%も上回った。2015年10月以来という。これから支持挽回の情勢にはない。
7月の都議選は「都民ファースト」の圧勝、自民党の敗北は必至。「驕れるもの久しからず」とはよく言ったもの。いま盛りのアジサイの花言葉は「うつり気」。うつり気というより国民は安倍内閣を見放しつつある』。

ところが、時事通信・特別解説委員田崎史郎さんの話を聞く機会があった(6月27日同台経済懇談会・講演会)。田崎さんは「政治は川の流れのように常に変化する」と言う。而も総選挙は来年の秋、自民党大会で安倍さんがさらに総裁に再任された後になる。都議選の影響は少ないかもしれない。私は“小党分立"という政治情勢になるとみるが、自民党に代わる受け皿の野党が存在しない。自民党が大敗したとしても公明党と組めば連立政権は可能で、安倍政権がなお続くことになる。だが政治は川の流れ、その変化はわからない…

上に立つものは「決断を速くせよ」といわれる。選挙前に豊洲移転問題に一応の判断をしたことはよかったと思う。これも「銀座展望台」(6月21日)を引用する。『小池百合子都知事20日築地市場を豊洲へ移転、「物流機能も強化した中央卸売市場プラス物流センター」とし、5年後に筑地を再開発「食のテーマパーク」とする案を発表する。
私は良い案だと思う。具体的な案がない、市場両立でうまくいくのかと批判する声もあるが方針が決まればおのずと道筋ができる。また両市場のすみわけもおのずとできる。人間の知恵というものはそういうものだ』。

毎日新聞の電話世論調査(6月24日、25日)ではまだ態度を決めていない人が57%にのぼる。これらは浮動票とみてよい。この大半が「都民ファースト」など小池都知事に好意的な政党にどっと流れる。都議会自民党の凋落はまちがいない。
最後に言う。小池都知事に「判断の迷った時は損得より道義をとれ」。「阿諛追従する徒」の言うことを聞くなかれ。小池人気はなお続く。