銀座一丁目新聞

茶説

「痩せ蛙核誇示して身を滅ぼす」悠々

 牧念人 悠々

北朝鮮がわざわざ外国のメデアを100人も招待して軍事パーレードを見せる。
浅はかと言うほかない。「能ある鷹は爪を隠す」という。賢者がおれば、軍事バレードなどせず華やかな文化行事を全面的に繰り広げて故金日成主席生誕105周年を祝ったであろう。所詮、痩蛙の強がりである。人口北朝鮮2445万人、米国3億1700万人。面積北朝鮮12万0538平方キロメートル、米国985万平方キロメートル。すべての指標で北朝鮮が劣る。昔から言われていることだが北朝鮮は石油の備蓄が少なく1週間も戦争をやればたちまち石油が枯渇する。その意味では中国が北朝鮮の死活を握る。中国が石油だけでなく生活物資を止めれば北朝鮮はどうにもならなくなるはずである。

万一、北朝鮮が核爆弾を使用すればたちまちそれに倍する核爆弾が北朝鮮に落とされ壊滅的な打撃を受ける羽目になる。それでも朝鮮労働党の崔竜海副委員長は「米国が挑発を仕掛けてくれば即時に壊滅的攻撃を加え全面戦争には全面戦争で、核戦争には核攻撃戦で対応する」と演説する。弱いものほど強がりを言う。まことに憐れである。

一方、米国の狙いは「核・ミサイル開発の放棄」である。最大の圧力をかける決意をした。その一つが空母「カール・ヴィンソン」(速力30ノット・乗員3200名・航空要員2480名・搭載機66機)を朝鮮半島周辺へ展開したことだ。第2弾がアフガニスタン東部で過激派組織「IS」に対して「大規模爆風爆弾兵器」の使用である。すでに第3弾、4弾が用意されているとみた方が良い。米国はあくまでも朝鮮半島の非核化を目指すのが目的である。

若し米国と北朝鮮の戦争となれば戦場となるのは韓国と日本である。その場合に備えて心の準備をしておく必要がいる。韓国の38度線に接する町ではすでにシェルターの準備がされているとテレビが伝えていた。米朝は一触即発の危機にある。偶発的なことが即戦争となる。とりわけ両国の首脳の独裁的性格が気にかかる。トランプ大統領70歳。金正恩朝鮮労働党委員長33歳。孫ほどの年齢差がある。一方は民主的な選挙で、一方は世襲でそれぞれ最高位につく。人は権力の座につくと権力を誇示したくなる。若いほど自制心が効かなくなる。挑発に乗って暴走する恐れがある。この1年が最も危険水域にあるといってよいであろう。