銀座一丁目新聞

茶説

拉致問題の解決には力がいる

 牧念人 悠々

「泣き寝入り」と言う言葉がある。「不本意ながら諦めること」をいう。いつまでたっても解決つかない北朝鮮による拉致問題にそう思う。北朝鮮はこのほど日本人拉致被害者らの再調査報告延期を通告してきた。日本人を日本国内から拉致しておきながらなんという不誠実な国だ。「解決の戦略がない」と国を責めても道理が分かる国ではない。しかも日本が憲法9条を尊重し「専守防衛」の国と熟知している。ありていに言えば日本をなめている。
拉致問題の本質は北朝鮮が日本の主権を侵害したという不法事実である。これを解決するには
①原状復帰。拉致問題では拉致した本人を帰国させること。
②それが出来なければ賠償すること。
③謝罪。
④再発防止のための対策
の4点である。これが国際法に従っての解決方法である。
これが実行できなければ武力で解決というほかない。それが今の日本では出来ない。だから「制裁と対話」を強調する。これには限界がある。北朝鮮はドイツ、豪州、イタリア、フイリッピン、カナダ、南アフリカなどと国交を開き、貿易をしている。それなりの実績を上げている。とすれば、相手の誠実に頼るほかない。拉致と言う乱暴を働いた国にそれを求めるのは無理な話であろう。それを承知で日本は北朝鮮と外交をしている。外交には力がいる。北朝鮮はすでに核を保有しミサイルを装備している。この国は核を使用する“狂気”を持つ。日本が集団的自衛権容認、集団的安全保障に関する法整備でもめているのを一番喜んでいるのは北朝鮮であろう。普天間基地の辺野古への移設問題も同じである。とりわけ沖縄の基地は北朝鮮有事の際は重要な役割を果たす。国を守るという公益と住民の福祉・自治と比較衡量したらどちらが重要か理解できよう。日本国民は平和さへ唱えておれば平和が来ると思い込んでいる。拉致問題が「泣き寝入り」状態になっているのは当然の帰結でもあるといえる。