銀座一丁目新聞

 

安全地帯(463)

信濃 太郎


武蔵野日赤病院の「ほほえみギャラリー」


武蔵野日赤病院へかみさんの精密検査のためつれて行く。つれて行くといっても車の運転も万事取り仕切るのは長男の嫁さんである。かみさんの診察はともかく病院の様変わりには驚く。大病をしたことがないので全く知らなかった。迂闊と言うほかない。ITによりシステム化されている。支払いはもちろんの事、患者の呼び出しも患者の受診番号が待合室の画面に表示される。待合室での世間話をする人はほとんどいない。黙々としている。診察室も同じく表示される。何番の人が今診察を受けおり、次の人は誰か、受信番号が示される。それにしても患者が多すぎる。日本の年間の医療費が40兆円に達するのもうなずける。
病院で働く人々は色で仕分けされる。白衣看護婦(師)さんは変わらず白。事務員さんは紺、作業員さんは黄色などと分けられている。みんな忙しそうに立ち働いている。
「新緑や色とりどりの作務衣かな」悠々
待たされること1時間半余。若い整形外科医の診断は脊椎変形もさることながら「リューマチ」の方がひどいという。「予約をしておきましたから午後2時『リューマチ科』へ行きなさい」という指示。若い人であったが親切で的確であった。その間、体のさまざま箇所をかみさんがレントゲン撮影をするので時間を持て余した。この待合室には「ほほえみギャラリー」があるに気が付いた。壁に日本写真家連盟の会員たちの風景写真が展示されてある。すばらしい写真であった。会員は400人ほどいるようだ。
「青池落氷」西木由紀夫―北海道美田瑛町(11月撮影)
「氷紋」徳田圭子―福島県裏磐梯高原の初冬の小さな沼(12月)
「凍てる谷」勝野比呂志―埼玉県秩父市(2月)谷間の樹木に降りかかった水しぶきが結氷した。
「里の春」―鏑木俊○ 古木の桜。群馬県沼田市(4月)
「妖精たちの森」西木輝子―熊本県五家荘の山の中であった花です(6月)。
「緑冴え整形外科に写真展」悠々
老老介護の身。癒される。写真家もいいことをするものだと感心する。
「リューマチ科」の若い医者の診断は明らかにリューマチだという。脊椎変形よりとりあえずリューマチを退治する方が先だというのでその処方の薬を出してくれた。精算済ませたのが午後4時前。病院前の薬局で薬をいただいて帰途に就いた。