2013年(平成25年)7月20日号

No.580

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茶説

戦わずして中国に勝つ方法

  牧念人 悠々

 中国の海洋調査船が連日のように領海を侵犯する。分別ある大人の国のやる行為ではない。専守防衛の日本はひたすら我慢するほかない。いずれ数年のうちに一党独裁の中国が“混乱”に巻き込まれるので「待ちの姿勢」が賢明と私は思う。

 最近、読んだ矢板明夫著『戦わずして中国に勝つ方法』(産経新聞出版・平成25年6月9日第2刷発行)にその方法が書いてあった。

 『戦わずして勝つ』は孫子の兵法である。孫子曰く「兵を用うるの法、国を全くするを上と為し、国を破るは之に次ぐ。故に百戦百勝は、善の善なる者に在らず、戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」日本でも羽柴秀吉が要害堅固な鳥取城を攻めるに食糧攻めの策略で守将吉川径家を自決に追い込み勝利した戦訓がある。

 『戦わずして中国に勝つ方法」は中国人のネットユーザーによる作り話だという。題して「ヒラリー長官の警告」。
 1、中国の政府高官が所有する海外口座の残高を発表し凍結する
 2、米国のパスポートを持つ中国官僚の名簿を公表する
 3、米国に住んでいる中国高官の家族の名簿を公表する
 4、ロサンゼルスにある「妾村」を一掃する
 5、米国在住の中国高官の家族をグアンタナモ刑務所に収容する
 6、中国国内の失業者など不満分子に武器を提供する

これで米国は一兵も使わずに中国を負かすことができるだろうという。今の中国共産党の実態を知り尽くした戦法である。

この意味でも日米同盟は重要なのである。戦略拠点たる沖縄の基地の重要性も理解できよう。米国は尖閣諸島問題に主権については立ち入らないが日米安保の適用範囲であると再三明言している。先の米中首脳同士の8時間にわたる会談を歴史的に見て「新しい関係を作る」と評価する人もいるがGDP1位と2位の国同士の首脳が会談するのは当然だし,おたがいに万国から敬愛される指導性を発揮してもらわねばならない。またお互いに牽制する必要もある。まして中国は米国に“中国高官の弱み”を握られている。会談も長くならざるを得なかった。

「戦わざるを以って善の善なる者」にしても軍隊がひ弱では役に立たない。国軍にしなければならないのは言うまでもないことだ。