2012年(平成24年)10月10日号

No.552

銀座一丁目新聞

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茶説

内閣改造と日本の政治

    牧念人 悠々

 第3次野田内閣を俎上に挙げながら日本の政治を少しばかり論じてみたい。『銀座展望台』(10月2日)でつぎのように書いた。

 『野田第三次改造内閣スタートする。評判すこぶる悪し。「卒業記念内閣」「思い出づくり内閣」「大臣増産内閣」・・・野党は「党内の融和を優先し弱点が多い」とみて年内解散を目指して攻勢をかける。

 台風の目玉は田中真紀子文科相。話は面白く、ずけずけものを言うところは大変良いが、時期、場所、相手を間違えると大変なことになる。物議を起こしそうである。城島光力財務相も財政分野は門外漢で、これも馬脚を現しそうである。日本の政治がこれでは困る。無党派層が増えるはずである。有権者の70パーセントを超える数字もある。これでは「年内解散あり」とみるのが妥当であろう』

 大臣増産内閣は確かである。鳩山内閣から3年1ヶ月で65人の大臣をつくっている。別に大臣増産は民主党政権から始まったものではない。自民党政権下でも同じである。竹下内閣(昭和62年11月6日発足)から宇野内閣(平成元年6月3日発足)第一次海部内閣(平成元年8月10日発足)まで1年9ヶ月に80人の大臣を作っている。増産と言うより“使い捨て”と言うのが似つかわしい。

 民主党政権で交代の多い閣僚ポストは少子化対策相10人、消費者担当相9人,法相8人、拉致問題担当相7人である(産経新聞)。これではしっかりした仕事が出来ない。むしろ行政を軽視していると見るほかない。憲法では行政権は内閣にありと明記し、一般行政事務の他「法律を誠実に執行し国務を総理する」など7つの大事な職権を持つ。本当に仕事をしているのかまことに疑わしい。

 野田総理が言う「適材適所」は嘘というほかない。国民の政治不信を招く要因の一つであり、無党派層が増える理由でもある。

 野田総理は意外と嘘つきである。日本語の使い方をしらいのかもしれない。「近いうちに解散する」と言ったのにすでに忘れてしまったような顔をしている。日本人は約束を守らない人間を嫌う。これは世論調査でも出ている。選挙は民主党のためにやるのではなくて国民のためにやるものである。国民に媚びろと言っているのではない。財政再建、デフレ脱却、脱原発、尖閣をめぐる対中国、オスプレイ配備など問題が山積している。先行き不透明の中、国民は今生活の安定と希望を求めてやまない。それを払しょくする一の方法が総選挙である。正しい日本語の使い方では『近いうちに』と言うのは年内を言うのである。