2012年(平成24年)9月1日号

No.549

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安全地帯(368)

湘南 次郎


土地争論


 だいぶ世間が姦(かしま)しい。浜の真砂(まさご)は尽きるとも、世に白波(ドロボーのこと)は尽きぬとは、歌舞伎のせりふ。自分のものは自分のもの、他人のものも自分のもの。いたずら小僧が欲しいものを狙って人の物をふんだくる。所有者がいるのに大人も屁理屈つけて負けずにひったくる。「それは、いけないこと、悪いことですよ。人様にご迷惑をかけてはいけません。世間様に申し訳ない。」なんてお話は通用しない。日本の常識は世界の非常識。

 筆者の若いころの戯(ざ)れ歌で「孔子や孟子が酒飲んでいっぱい機嫌でホラ吹いた、出鱈目なんか知るもんか……」というのがあった。人道、地に墜ちたか?鳩ポッポや一郎君、その親分のお嬢よ、アジア共栄圏はどうなっているんだ。こんな時こそひと肌、脱がなきゃ男がすたるよ。仕分けの女王、アッチに顔がいいんじゃないか?みなさん、あのころのお元気は?馬鹿に静か、やっぱり票のためにはお国も売るかと本性を疑られますよ。

 鎌倉二代将軍 源 頼家は、武士が土地争論で自分の土地を命懸けで守るため、評定所(裁判所)に届けたところ、頼家は、なんと図面に一本、墨で縦に線を引き、右は甲、左は乙と裁定したという話がある。家来にいっぺんに信頼を無くしたのは言うまでもない。因果応報、不行跡の数々で最後は殺害された。なにか線を引いて、「これ、おれのものだ」、国家なら通用するのだろうか?線を引く方も引くほうだが、引かれた方がお人好し(上にバカがつくかも)にも文句や文書が通用すると思って出しっぱなし。一方通行、静かに、静かにとの思いやりが裏目に。相手はますますエスカレートだ。実行支配され、革新的利益と、果ては土足で上がって来る。なにしろ、日本人は、草食だが、相手は犬(いぬ)まで食らう国民だ。一昔前は人肉を売っていたとの話もあり、国民性が違うのだ。信頼敬愛、義理人情は通用しない。信用するのがおかしいのだ。

 かつて、仕分けで危機管理関係予算の削減をした人を愛国者とし、気が付くのが若干遅かったが、今回、野田首相は毅然として、一所懸命、真剣に対応している。指揮官とすれば、前、前々回の方々よりよほどご立派。多少石橋をたたいて渡らぬところもあるが、要は予算も含め、情報収集、タイミングとスピードそして決断、実行力だ。領土の危機、これは演習ではない。

 返せ、返せは、絶えず言っていないと、時効になるのだそうだから、借金や土地の貸借と同じように、災難を受けたと思って、申し入れは、忘れずに、飽きずに絶えず行ってもらいたい。相手が相手だから、次期政権、子子孫孫に申し送るよう頼む。もっとも相手が鉾を納めたら別だが。筆者の目の黒いうちは無理かな?