2012年(平成24年)4月20日号

No.536

銀座一丁目新聞

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山と私

(85) 国分 リン

― 三世代と登った「石老山」 ―  

 すいすいと、身が軽い4月から小学2年生のキー君と6年生のハーちゃんが一番乗りで「石老山」頂上694mへ到着。ちょうど12時「お腹空いた。」の元気な声に笑えた。山友のN氏ご夫婦に息子夫婦と孫2人、それに私たち山仲間3人の総勢9人賑やかに歩いた。「おばあちゃんもう直ぐだよ。」孫の掛け声に「はーい。がんばるよ。」微笑ましい。おでんやラーメンを温め皆でわいわい食べるのは美味しい。ワインで乾杯。1時間30分ゆっくりの昼食は里山ならではのこと。子供たちも大喜びで「また山へ皆で登ろうね。」

 4月1日 青空に喜んで高尾駅9時5分発相模湖駅着9時13分、さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト経由のバスなので春休み中で混雑、増発もでた。「石老山登山口」でほとんどが降車、立派な看板と公衆トイレが設置されていた。準備運動をして10分ほど歩くと草むらがありフキノトウを見つけ、皆で摘み草をし、蕗味噌を作るというN夫人は嬉しそう。今年は寒く大きな紅梅が満開、ハーちゃんは小さな花束を作りスキップをしていた。

 石段がありいよいよ山道に入り男坂を登り始め、苔むした奇岩の道、滝不動は皆で石奥に鎮座しているお不動様に無事を祈り、屏風岩、仁王岩(阿吽岩)、駒立岩、力試岩、文殊岩があり、各々に名前と由来の説明があり、10時に顕鏡寺到着。蛇木杉や大銀杏は神奈川の名木100選の古木は必見の価値あり。石段を登ると顕鏡寺を建てたという「源海法師」が住んでいた大きな岩窟へ入り頭を垂れ、先へ急ぐと、桜道と奇岩道の二差路へ出て、桜道を選んだがまだ早かった。手入れをしたばかりの道を前になり後ろになり歩き、ベンチが見え、融合平見晴台に着き相模湖が見えた。ここからは子供たちが先頭を切り「ここを登れば頂上?」「もう少しだよ。」と3回ほどピークがあり、なんとオオカミ少年のような気分になった。安易にもうすぐなんて子供達に教えたらいけないと反省した。

 頂上の南方面が開けて雪の富士が幽かに、丹沢や道志方面の山々も見えた。記念撮影をし、幾組ものグループを見送った後に下山開始。大明神展望台で休憩し、ここからが急坂で険しい下りが始まり、キーちゃんは用心してK小父さんの手をしっかり握っており、みな安心して任せて歩く。しばらく歩くと「シュンラン」がたくさん咲いている日当たりのよい斜面に出て、興奮して写真を撮った。何株も次々咲いていた。こんなにたくさんの「シュンラン」は初めて見た。嬉しかった。

 沢に沿った苔むした道をどんどん下ると沢に水が湧き出ている音がして、また先を歩くと「相模湖休養村キャンプ場」のゲートがあり、15時舗装道路へ出て、今回の山行は無事終わった。舗装道路をバス停へ向かって歩くと、山から見えた観覧車のあるプレジャーフォレスト前に出て、タイミング良くバスがきた。春休み中で小学生までは50円と安い。おりからガールスカウトの15人が乗ってきて賑やかだ。

 三世代で一緒に山登りができるのは羨ましい。N氏ご夫婦は山が縁で結ばれ、今年金婚式を迎えられると言う。ご夫婦とも健康でスキーもがんがん滑り降りるし、孫たちを連れての山も今後たくさん登りたいと話されていた。きっとその思いが叶うよう、少しでも山仲間として手助けをしたい。