2010年(平成23年)2月10日号

No.494

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競馬徒然草(185)

―2010年有馬記念― 

 

 1年の最後を飾る有馬記念(12月26日、中山競馬場、芝2500メートル)は、文字通り「手に汗を握る」ほどの激戦だった。逃げ粘るヴィクトワールピサと追い込むブエナビスタ。ゴールの瞬間はブエナビスタが交わしたように見えたが、写真判定の結果は、惜しくも届かずハナ差の2着。これほど最後までハラハラさせた有馬記念は、これまでになかったように思われる。

 2番人気のヴィクトワールピサが鼻差粘ったわけだが、優勝を勝ち取ったものだけに、この鼻差の価値は大きい。一方のブエナビスタにとっては、口惜しさの残る鼻差であった。写真判定の結果、この鼻差は「2センチ」だという。この写真判定には6分を要したというが、結果を待つファンにとっては、ヤキモキさせる長い判定だった。

 ブエナビスタは鋭い追い込み型の馬だけに、ゴール前の直線コースが長いほど力を発揮できるが、直線の短いコースでは取りこぼしもある。今回の有馬記念の場合も、その1例に含まれるのではないだろうか。強い馬ではあるが、勝つには条件がつくことを改めて知らしめた。

 14番人気で3着に食い込んだトゥザグローリーの粘りも忘れ難い。今後の期待馬に挙げられる。配当は3連複でも万馬券になったのだから、記憶しておいてよい。そんな有馬記念であったように思われる。


 

(新倉 弘人)