ビックリニッポン日記 (17)

目黒 ゴン太

 ずいぶん前から叫ばれている“男女同権”を求める流れは、日本の社会の中にも少しずつではあるが、影響を及ぼしてきている。数十年前では考えられない程、女性の会社進出が増えてきており、又、人々の意識も着実に変化してきていると言えよう。今までの様な、男は外、女は内という構図を崩していき、女性は、今までの日本の女性のライフスタイルから、どんどん変化を遂げていっている。結婚という概念にとらわれずに自分で生き方を模索してみたり、又は結婚をしても家事、育児のみに縛られることなく、仕事等をする人々が増えている。これらは、近年のデータの中で子供の少子化や結婚の晩婚化等の傾向等からうかがえる。

 私の意見として、これらの女性のライフスタイルの変化は大賛成である。制度や風潮によって能力、個性が、性の違いが封じ込められてしまうなどということは、あまりにも馬鹿馬鹿しいと思うからである。しかし、私が物心ついた時からあるこの男女同権を求める運動の有り方について、未だに少し疑問があるのである。確かに、フェミニズム運動が盛んであった頃は、男女の性差による差別がひどかったため、仕方がないと言える面があるのだが、この運動の敵は、制度、いわゆる男性社会である訳なのだろか。男女同権を考えた場合、女性は権利を勝ち取ることももちろん必要であるが、むしろそれ以上に必要なのは勝ち取った後に有ると思う。権利を得てから男性との共存の有り方は、今、男性が変わってゆく女性の対応に追われている状況よりも難しいこととなると思う。それは、今まで女性にとって経験の少ない状況と言え、あくまで“同権”と言う以上、女性は独立、孤立するのではなく、共存してゆかねばならないからである。男性、女性共に新しい良い関係を、それぞれの立場から育くんでゆく、知恵と努力が必要である。


                

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