2010年(平成22年)11月10日号

No.485

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茶説

中国漁船事件ビデオ流失事は現場の反乱だ
 

牧念人 悠々

  中国漁船衝突・公務執行妨害事件の流出ビデオは大阪の友人がメールで送ってくれた(11月5日)。早速友人に「有り難うございました。これだけ証拠があるのに菅直人政権の弱腰何たることか。これは公開すべきである。たちまち民主党政権打倒の運動が起きるであろう」と返事した。流失ビデオには中国の漁船が日本の領海で不法操業をし、海上保安庁の再三の警告の指示にも従わず、故意に一隻だけではなく、二隻の巡視船に体当たりした映像が生々しく写っている。中国漁船の不法行為が明らかにされている。それにもかかわらず中語漁船の船長を拘留半ばで処分保留のままで釈放した日本政府の弱腰はあきれるほかない。いまさらのように怒りがこみ上げてくる。

 これは明らかに内部から流出したものである。自分たちが一生懸命第一線で海上安全保障・航行の安全を守るために頑張っているのに、中国から圧力を掛けられるとへなへなになり、その上、媚びさえ売るていたらくの民主党政権への反乱である。

 マスコミは日中首脳が合うかどうかを問題にする。日本側の態度としては中国が謝罪と衝突された巡視船の損害賠償に応じてから会見すべきである。それまでは中国側から会いたいと申し込んでくるまで黙っておればよい。それぐらい決然たる態度がほしい。
国民の反応は敏感である。公開すべきの声が起き、菅直人政権への不信が渦巻き、支持率が32lに落ちた。「退陣しろ」と言うことである。

 私は9月21日の「銀座展望台」で次のように書いた。

『▲中国漁船衝突・公務執行妨害事件は日本の法律にのっとって処理せよ。いくら中国側が圧力をかけてきても「政治的決着」をするな。

中国側は日本の巡視船が中国の漁船に衝突した事件と伝えている。日本側は駐日中国大使を呼んで事態を説明,衝突現場のビデオ写真を見せて「非」が中国側にあることを明らかにしたらよい。北京でも日本大使が同様な説明をする。

軍事大国だからと言ってごり押しは許されない。

日本の新聞はこの事件を「中国漁船衝突事件」とするがさらに「公務執行妨害」を明記すべきである。このほうが事態を誤らせないですむ』

ここで衝突現場のビデオの活用を説き、事件を的確に処理し、明確に表現することを強調している。

かつてベトナム戦争に関するアメリカ軍の国防総省の機密文書が国防総省の研究員によって新聞にリークされたことがある。最近ではアフガニスタン戦争に関するアメリカ軍の機密文書がインターネット上に大量に流出している。本来なら流出ビデオは新聞社かテレビに持ち込まれ暴露されるものだが、今やネット時代、こちらの方が手軽に多くの読者に意とすることを伝えることが出来る。私自身新聞の夕刊やテレビのニュースより早くネットで知った。時代は明らかに新聞、テレビ時代を越えてネットの世界に入ったことを証明したと言える。されに言えば、新聞もテレビも今回のビデオ流出問題の意味をよく理解していないようである。犯人捜しより日本の国益が損なわれている事態に眼を向け、論じるべきであろう。