2010年(平成22年)7月20日号

No.474

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茶説

「戦略」は大事なことである
 

牧念人 悠々

 鳩山由紀夫元首相、菅直人首相にしても「戦略」を知らないであろう。もともと軍事用語である。「戦術より広範な作戦計画。各種の戦闘を統合して戦争を全面的に運用する方法」(広辞苑)をいう。私もえらそうなことは言えない。「図上戦術」「現地戦術」をかじったにすぎない。手元にある戦略を論じている「統帥綱領・統帥参考」(昭和57年12月8日発行・編者・防衛研究会)にしても時々ひも解く程度である。戦略・戦術と言う言葉には敏感に反応する。

 為政者は国家戦略を立てねばならない。国民の生命財産を守る為政者には当然の責務である。それが民主党政権に出来ていない。日米同盟は日米の絆であり深化させると言いながらやっていることはその反対である。普天間基地移設問題は8月末までに、代替え滑走路の位置や工法の詳細を決めことになっている。この日米合意は守らねばならない。先送りは許されない。中国が年々、軍備を増強し、北朝鮮は核を武器にして脅しをかけてきている。それなのに日本の軍事予算は年々減っている。「弱国は他国の征服欲を誘発し、こちらが攻めなくても向こうから攻めてくる」と歴史は教えている。インド洋上の海上自衛隊の護衛艦による給油中止も「汗と血を流さずお金で友好や平和を買う」亡国的決定であった。

 民衆は明日の1万円より今日の1千円の方を喜ぶという。2万円の生活給付金を私は喜んでいただき本を買った。テレビでの母さん方の批判的な発言はともかく多くのお母さん方は子育て手当は喜んだと思う。今なお民主党支持者が自民党より多い理由の一つであろう。為政者は時には有権者が嫌がる政策をとらねばならない。普天間基地移設問題は国の安危にかかわる問題である。地元住民が反対しても断固として辺野古移設を強行しなければいけない重要案件である。

 民主党政権には現在、自由諸国対アルカイダ・テログループの戦いが今なお継続されているのを忘れている。世界のどこかでテログループが攻撃を仕掛けている。その対象はアメリカだけではない日本も含まれる。「常在戦場」「危機管理」「情報収集」の意識が強くあれば「国家戦略」の重要性がわかってくるはずである。