2010年(平成22年)3月10日号

No.461

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茶説

民主党政権は国防に関して
無知・無策である
 

牧念人 悠々

 中国の2010年度の国防予算案約6兆8900億円(昨年比7.5%増)。アメリカについで第二位の額である。11年間続いた二桁の伸びがとどまったとはいえ「中国脅威論」は消えない。防衛省幹部は「突出した軍備増強の意図が不明」だというが、明らかに軍事大国を目指しており、アメリカを意識している。現に中国国防大学の劉明福大佐は著書『中国夢』で「中国は世界一の軍事強国を追求すべきだ」と主張している(産経新聞)。
 自国の防衛はその国が考えるべきかもしれないが、中国が軍備を増強するのを日本としても安閑として見逃しておくわけにもいくまい。これから地域紛争があるにしても大国同士の戦いはまず考えられず、世界の潮流は軍縮の方向にある。アジアの平和の観点からやんわり中国に忠告ぐらいしてもいいだろう。
 日本はまことにのんびりしている。日本の防衛費は4兆7000億円、国民総生産の1%ときめられている。専守防衛で相手国が手を出すまで手をこまねいていなければならず、同盟国の米国が襲われても手出しできない、いびつな状況にある。それでいて「対等な日米同盟」を主張する。核ひとつとってみてもわかるではないか。日本はアメリカの核の傘の中にある。ジャーナリストのリチャード・ハロランさんが「日米対等と言うなら防衛費もアメリカと同じく国民総生産比の4%に引き上げよ。自衛隊の人員も米国と同じく人口に釣り合った88万人(定員24万人)にしたらどうか」など10の提言をしていた(産経新聞)。問題の普天間基地の移転はすでに日米合意が出来ているのに政権が交代したからといって9ヶ月も放置しておく有様である。むしろ日米同盟を廃棄する状況まで追いこんでいるといってもよい。早く日米合意を実施すべきである。
 鳩山由紀夫首相はもっと国防問題を研究し、神経を尖らすべきである。戦略的観点から見た沖縄の意味、米軍第七艦隊と沖縄の基地との有事の際の運用、インド洋上での海上自衛隊の給油活動停止による日本に与えたデメリットなど、日本は軍事面から次第に”鎖国”のような状況になりつつある。
 「弱国は平和を保てない」という。前航空幕僚長田母神俊雄さんは国際関係は「性悪説」を前提としなければいけないと説いている。敵は必ず勝てる準備をして殴り倒せる準備をしてから攻撃してくる。北朝鮮が核を持ち、日本に狙いを定めたミサイルを保有する。年々軍備を増額している中国は空母の建設まで行っているではないか。こちらが弱いと見たら相手国はこちらが攻めなくても向こうから攻めてくる。民主党政権にはこのことが分かっていない。日米同盟なくして日本の安全をどうして守るつもりか。日本は国防についてあまりにも無知・無策すぎる。