2010年(平成22年)1月20日号

No.456

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茶説

小沢一郎民主党幹事長は

潔く辞任せよ

牧念人 悠々

 検察の目標は小沢一郎民主党幹事長に向いている。小沢幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐり元秘書の石川智裕衆院議員ら3人が捕まり、外堀は埋められた。政権獲得後初の民主党大会に合わせたような逮捕劇を見ると。検察の決意の並々ならぬものがある。小沢幹事長が「意図的なものを感じる」と言うが昨年3月、西松建設からの違法献金事件で公設秘書が逮捕された際にも「不動産購入をめぐる疑惑」がささやかれた。疑惑の資金4億円について「隠し立てするお金でなく積み立ててきた個人の資金」と小沢幹事長は弁明する。代議士稼業とはそんなにお金儲けできるものなのか。もっと具体的に儲けた方法を説明すべきであろう。東京地検は中型ゼネコンから「小沢側に1億円を手渡した」との供述を得ており、大手ゼネコンの家宅捜索もしており、粛々として証拠固めをしている。それにしても民主党内に小沢幹事長批判の声が起きないのは異常と言うほかない。
 政治資金規正法の上ではすでに時効になっているが、見逃せない問題がある。小沢幹事長が党首を務めていた自由党が平成14年、当時同党の幹事長であった藤井裕久前財務相個人に支出したとされる15億円余りの党費が、小沢氏の関連政治団体「改革フォーラム21」に流れていることだ(産経新聞)。藤井氏自身は「全く知らない」と言っている。「フォーラム21」の政治資金収支報告書には14年以降、この資金の記載はないという。この資金はすべて政党交付金で国税であることを忘れてはなるまい。
 今回の政治資金規正法違反事件で小沢氏のお金を使った以上、小沢氏の関与は明らかである。いずれ東京地検は小沢幹事長を調べざるを得ない。捜査当局にとって難しいのは1月18日から国会が始まったことだ。任意で調べるほかない。小沢幹事長がそれに応じれば「在宅起訴」と言うことになるかもしれない。逮捕も考えられる。国会開会中なので「院の許諾請求」がいる。果して与党幹事長逮捕は実現できるのか。昭和29年4月、造船疑獄事件に絡み収賄容疑で逮捕状が出された佐藤栄作自由党幹事長に対して時の犬養健法務大臣は指揮権を発動してその逮捕を見合わせた。小沢幹事長を全面的に信用し、頼っている鳩山由紀夫首相ならやりかねない。もしこのような事態になったら「指揮権発動」を止めさせるのは世論しかない。すでに世論調査では鳩山政権不支持がわずかながら支持を2・6%上回った(共同通信調査・スポニチ)。その意味では今回の政治資金規正法違反事件の行くへにはさまざまな問題をはらんでいる。
 さて、小沢一郎幹事長、身の処し方をどうするか。小沢幹事長自身の判断に待つほかない。先の世論調査は議員の辞職も望んでいるのが7割も超える。世論を侮ってはならない。