2009年(平成21年)3月1日号

No.424

銀座一丁目新聞

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山と私

(51)
国分 リン

――輝く富士をバックに北アルプスまでの360°眺望「初スキー」――

 毎年恒例の年越しスキー蔵王の宿が、社会保険の保健施設の見直しで売却された。立派な施設で温かい職員のもてなしに加え、廉価だっただけに残念だ。友の知り合いのペンション「キングサーモン」長野県小県郡長和町「蓼科山」の麓、姫木平にあり、白樺林の静かな別荘地である。午後からスキーの準備をして、ペンションオーナーの車で10分ブランシュたかやまスキー場到着。ここはスキーヤーオンリーで安心である。今年は降雪量が少なく、人工雪でゲレンデをオープンしている。今年の参加者5人の平均年齢は71歳、何と74歳が二人で私が一番若手、この二人のガッツに私が付いて滑るのがやっとである。初滑りは慣れるまで緊張で硬くなるので準備運動をする。なにしろ転倒での骨折が恐怖である。第2ロマンスリフトで展望台のある頂上へ。このスキー場は晴天率が83%と聞く。白く輝く北アルプスの嶺と八ヶ岳がどんと大きく一目で分かる富士山をバックに滑り降りる。スキーウエアとネックウオーマーで顔を隠して滑れば若者と間違えられる。それほど上手い滑りとスピードである。このスキー場は冷え込みが厳しいので人口雪が凍っていて、あまりいい気分の滑りが出来ない。夢中で7本ほど滑り降り、山が少しずつ焼けて化粧を始め、顔の冷気が辛くなり、初日のスキーを無事に終え、迎えの車で宿へ帰った。年越しのお料理は素晴しいもので,釣り自慢オーナーの鯛の燻製がテーブル毎に見事である。ゆっくり年越しの宴は楽しく、年越しそばも美味しい。3人の仲間は最近親の介護を終えての参加である。終えられたからこその懐かしそうにエピソード「電気釜が空いていると必ずご飯を炊き上げる。お願いご飯は炊かないでとメモを置いても炊いておいたよとメモで返された。」を話すエーデルの先輩達にいろんな面で教えられる。皆昼の疲れからか除夜の鐘も聞かず寝付いた。
 1月1日 「おめでとうございます」朝からお屠蘇代わりのお酒をいただきおせち料理とお雑煮に舌づつみをうち満足。今年最初の活動開始スキー場へ。
 家族連れが多く混雑している。「子供達に気をつけて、全コースを滑ろう」半分滑った頃仲間のSさん「足が痛いので休憩する」この地に移住しているNさんの案内で歩こうと約束していたので、昼食後Sさんと私は、スキーをする仲間と別れ、Nさんの案内で蓼科山を間近に眺めながら静かな雑木林や雪道を小鳥達と仲良く気分もさわやかに2時関余歩いた。今年も山へ登るぞと心に刻みながらなんとも爽やかに歩いた。Nさんに感謝である。宿にピアノがあり、仲間のKさんはピアノ教師であり、歌も上手い。Nさんも宿に来て皆で歌い初めを楽しむ。思いっきり大きな声で歌い、他のお客様にも楽しんでもらう。お正月から滑る・歩く・歌うの三拍子に、今回の仲間達とペンション「キングサーモン」さんとNさんとの出合を喜んでこのスキーの旅を終えた。