2008年(平成20年)7月1日号

No.400

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競馬徒然草(141)

―人気と期待はずれ― 

 「メイショウサムソンもだらしがないね」と、ファンの一人が言った。宝塚記念の結果についての感想だ。1番人気のメイショウサムソンが、期待に応えられず2着に敗れたからだ。「あそこで勝てないようでは、一流馬とはいえないよ」ともいう。厳しい見方ともいえるが、正しいともいえそうだ。馬券の配当の上では比較的穏当な結果に終わったが、もし3着以下に落ちていたら、もっと厳しい眼で見られたことだろう。
 この馬の過去の成績を振り返ると、武豊騎手が騎乗して勝ったのは1回。これに対してして石橋騎手が騎乗して勝ったのは8回ある。それぞれの騎乗回数が異なるので、いちがいに比較はできないが、武豊騎乗が人気を集めた要因のひとつでもあるから、いわゆる「人気のかぶり過ぎ」が云々されるかもしれない。騎乗する騎手にしてみれば、辛いところだ。
 視点を変えれば、1番人気に応えて堂々と勝つほどの馬が、いないということだろう。その当たり前のことを改めて再確認することになったのが、今回の宝塚記念ということのようだ。「期待」は裏切られることが少なくない。特に昨今は、とかく「騙される」事件も多い。「よさそうな人の話」にも、うかつに飛びつかないほうがいい。
       騙されるのは、せいぜいお遊びの競馬ぐらいにとどめ    
       ておくのがよさそうだ。

( 新倉 弘人)

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