1998年(平成10年)7月20日(旬刊)

No.46

銀座一丁目新聞

 

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大阪ブランドは江戸を制す?

山崎れいみ

 と言っても本格ファッションのそれではなく、原宿あたりにたむろす若ものファッションのこと。

 原宿のホコテンが閉鎖されて休日の若ものの行き場がなくなったかと思いきや、彼らはちゃっかり代々木公園あたりに移動してパフォーマンスをくりひろげているらしいが、それを見物する側の若ものらの洋服が、これまたメチャクチャ奇抜と言うか、ひところの「竹の子族」再来かと目をみはるような超ド派手で、私なんぞは度肝を抜かれて開いた口がふさがらなかったくらいである。

 このド派手集団、聞くところによると、大阪ブランド「卓也エンジェル」の服で身を固めた若ものたちで、「エンジェラー」と呼ぶのだそうだ。大阪ではつとに有名らしいが、このところ東京にも進出して、早速「エンジェラー」の出現と言うわけである。

 その昔遊女が着たようなケバイ柄の長襦袢を仕立て直したジャケットに継ぎ当てをした和柄のパンツ。洋風腰当て風スカートの足元を見ればリボン付の脚絆に鈴の付いたポックリ。後ろを向いてもらったら背中には水引の鶴を飾ったリュック!!

 この若もの風俗をまともとみる人は恐らくなかろうが、私に言わせれば狂気じみているとしか思えない。ところが彼らに言わせれば「着ているとパワーが出る」のだそうで、こうなると私らの思考の外だ。単なる「世紀末スタイルの一つ」と評論した人もいるが、いまどきの若ものが、パワーや心のよりどころを求めて着る服がこんなものとは、なんとも情けなく涙が出てきそうだ。

 さて、あなたはどう思いますか?

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