2007年(平成19年)7月1号

No.364

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競馬徒然草(117)

―ウオッカの真の力は?― 

 宝塚記念でのウオッカの負け方はひどいものだった。1番人気を裏切り8着。5着にも入れなかった。アドマイヤムーン、メイシンョウサムソンの上位人気が1着、2着を占めたのだから、レースとしてはまずまず順当な部類といっていいのかもしれない。だが、ウオッカに期待したファンや関係者には、予想外の波乱であっただろう。
 ウオッカの敗因は何だろうか。まず、枠順がよくなかったこと。さらに、馬場状態が悪く、馬場状態のよい外へ持ち出せなかったこと。それに加え、馬が行く気になり、脚をなし崩しに使ってしまい、早々と余力をなくすことになった。従って直線では頑張りを見せたものの、次々と他馬に交わされることになった。一時はもう少し頑張れそうに見えた場面もあった。だが、肝心な勝負どころでずるずると後退する有様。その不甲斐なさは目を覆うほど。
 ウオッカの本来の能力は、もっと高いはずだ。牡馬に混じってひけをとらず、ダービーを制覇したほどの馬である。そのことを考えると、今回の負け方はあまりにも落差が大きい。このウオッカには、フランスの凱旋門賞に出走するプランがあるという。凱旋門賞といえば、世界最高のレースだ。世界の強豪と戦って、果たして勝算はあるのか。少頭数のレースになるだろうから、枠順の有利、不利はないだろう。馬場状態もそれほど悪くならなければ、本来の力を発揮してもいいはずだが、果たしてどうだろうか。
 凱旋門賞では昨年、薬物問題で恥をさらしたばかりである。無様なレースは見たくない。ウオッカの真の力を見せて欲しいものだ。

( 新倉 弘人)

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